2022年11月04日 1746号

【夢洲IR差し止め訴訟 初の弁論 闇の「基本合意書」公開迫る】

 カジノ住民投票条例案が大阪府議会で否決された7月29日、大阪市民5人が原告となり「夢洲(ゆめしま)IR差し止め」を提訴。第1回口頭弁論が10月18日、大阪地裁大法廷で開かれ、87の傍聴席は支援者で満杯となった。

 原告団を代表して山田明さん(名古屋市立大学名誉教授)が意見陳述。「私は長年地方行財政、公共事業等を調査・研究し、大阪湾の夢洲を舞台にした大規模開発は、環境や災害、財政などの面から大きな問題があると警鐘を鳴らしてきた」と論点を整理し13分に及ぶ堂々たる陳述を行った。

 報告集会も超満員で、差し止め訴訟への支援・連帯の熱気があふれる。

 豊永泰雄弁護士は「傍聴参加の皆さんの多さに圧倒されたのか、森鍵一(もりかぎはじめ)裁判長の表情がいつもより硬いなという印象」。この裁判は、大阪の未来のかかった重要な裁判であり、多くの傍聴支援は府民・市民の注目が集まっている証拠だ、と被告(松井一郎大阪市長ら)や裁判官に突きつけた。

 4月にIR事業者と大阪府・市が交わした「基本合意書」を公開すべきと要求しているが、市側は頑なに拒否。弁論でも被告答弁は「公開する予定はないが検討する」という不誠実極まりない回答だ。公開すれば困ることが記載されているのは間違いない。裁判所からも出すべきという姿勢がうかがえ、あらゆる方向から「基本合意書」を公開させたい―など、原告と弁護士が発言し、活発な意見交流と質疑が続いた。

 次回期日は12月16日15時から同じ大法廷で。

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