2022年11月25日 1749号

【1749号主張 大軍拡・先制攻撃へ岸田暴走 沖縄・全国を戦場にさせない】

戦争国家への加速

 岸田政権が年内に目指す「軍事3文書」改定は歴史的な転換点となる非常に危険なものだ。政府の意図は明らかだ。ロシアのウクライナ侵略や朝鮮のミサイル発射を機に中国・朝鮮の脅威をあおり、軍事費倍増、敵基地攻撃能力保有の大軍拡、戦争体制に突き進む。日本維新の会も核共有まで提言し、岸田政権を後押しする。これらは憲法9条を真っ向から否定する暴走だ。断じて許されない。

 岸田首相は東南アジア外遊で、中国に対し「日本の主権を侵害する活動が継続・強化されている」と名指し批判。日米韓首脳会談では、朝鮮を念頭に「連携をさらに強化し毅然(きぜん)と対応」と中国・朝鮮敵視をあらわにし、東アジアの軍事緊張をいっそう高めている。

 緊張緩和への道は対話以外にない。11月14日、米中首脳会談がもたれ、17日には日中首脳会談と続く。こうした会談を真に東アジアの平和へとつなげるには、今行われている軍事演習や軍拡競争をただちに中止しなければならない。

標的は琉球弧から全国

 11月10日に開始された日米最大の合同軍事演習「キーン・ソード23」には、日米約3万6千人が参加。オーストラリア軍、イギリス軍、カナダ軍も加わる。「台湾有事」を想定し、今回初めて与那国島や徳之島でも軍事演習が行われた。仮に偶発的にでも軍事衝突が起きれば、米軍・自衛隊基地が集中する沖縄・琉球弧は戦争の最前線となり、全国が戦場となる。

 大軍拡は市民の生活を破壊する。軍事費をGDP比で1%増額するには5兆円が必要となる。財務省は臨時増税を口にし、消費税増税までもくろむ。物価高で苦しむ人びとにさらに負担させるのだ。だが、軍事費増のための増税には「反対」が66%を占める(11/12〜11/13FNN調査)。今必要なのは大軍拡ではなく、市民の命・くらしを守る政治だ。

岸田倒し政治の転換を

 岸田内閣の辞任ドミノは止まらない。山際経済再生担当相に続き、「死刑はんこ」発言の葉梨法相“更迭”。寺田総務相、秋葉復興相も「政治とカネ」問題で窮地に立ち、自民支持者にも「岸田離れ」が進む。今こそ岸田退陣を迫る時だ。

 総がかり行動実行委員会は「軍事費増やして生活壊すな!改憲反対!カルト癒着の政治をただせ 11・30in日比谷野音」に結集を呼びかける。ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は、11月26日〜12月4日「ZENKOスピーキングツアー」を開催する。馬毛島(まげしま)、奄美大島、沖縄島、宮古島、石垣島と、軍事要塞化の最前線で闘う9人が連日全国に発信する。

 戦争に抗う人びとと連帯し、悪政に憤る市民とともに声を上げよう。岸田内閣を打倒し、軍拡と改憲を阻止しよう。

(11月14日)
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