2022年11月25日 1749号

【差別なく自由に生きられる社会へ 杉田議員のバッシングを断罪する フェミ科研費裁判に支援を】

 10月7日、フェミ科研費裁判(国会議員の科研費介入とフェミニズムバッシングを許さない裁判)の控訴審第1回期日が大阪高裁で開かれた。この裁判は、2014年度から17年度にかけて日本学術会議の科研費(科学研究費助成事業)の助成を受けた「ジェンダー平等の実現に資する研究と運動の架橋ネットワーキング」研究グループの共同研究に対して、自民党の杉田水脈(みお)衆議院議員が誹謗中傷を行ったことについて、名誉毀損による損害賠償請求や謝罪を求めた事件である(19年に提訴)。

 原告の牟田和恵さん(大阪大学)・岡野八代さん(同志社大学)・伊田久美子さん(大阪府立大学)・古久保さくらさん(大阪市立大学)《4名の所属は提訴時》たちの研究は、ジェンダー平等の社会実現のための大切な研究だ。しかし、杉田議員はフェミニズムへの無理解によって研究を貶(おとし)め、日本軍「慰安婦」問題を扱った研究を「ねつ造」と決めつけ、研究費を不正使用しているかのように発言した。研究に「反日」とレッテルを貼り、「国益を損ねる」研究に科研費を助成することは問題だとツイッターやインターネットテレビなどメディアで繰り返した。

 5月25日の一審京都地裁の判決は、まるで結論ありきのようで、原告の訴えを全面棄却した。杉田議員の誹謗中傷は「意見ないし批評にすぎない」「原告らの社会的評価を低下させるような」ものとはいえないとした。また「慰安婦」問題については、裁判所の「本件見解」として強制連行はなかったという「歴史修正主義」に立つ判決だった。

控訴審逆転勝利めざす

 かつて杉田議員は「LGBTは生産性がない」と主張した。それと同様に確信的にフェミニズムへのバッシングを行っている。8月には総務大臣政務官に就いたが広範な団体から抗議と撤回を求める要請書が送られ、OPEN(平和と平等を拓く女たちの絆)も賛同している。国会議員による科研費への介入は、憲法で保障されている「学問の自由」への侵害である。学問研究への権力の介入を許さないためにも、差別がなく自由に生きていける社会をつくるためにも、高裁での逆転勝訴をつかみ取らなければならない。

 大阪高裁は支援者で埋まり、1回で結審とはならなかった。法廷後の報告集会では、公正判決を求めるはがき行動が提起された。ご協力を、そしてぜひ支援の会のサポーターになってください。大阪高裁大法廷での第2回期日は来年2月2日(木)14時40分〜。みんなで裁判所に集まろう!

(OPEN〈平和と平等を拓く女たちの絆〉・M)

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