2023年02月24日 1761号

【横浜ノースドックはあぶない! ZENKO関東がフィールドワーク】

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)関東は2月11日、米軍部隊常駐が発表された横浜港の輸送拠点「横浜ノースドック」を海上やビル屋上から、そして基地正面からの見学行動を行った。

 シーバスに乗りターミナル施設などの「ハンマーヘッド」に向かう。デッキの右舷からは「アンパンマンミュージアム」が見えるらしく、子どもを連れた家族が微笑んでいる。左舷に集まった参加者は、倉庫が立ち並ぶ港を見つめながら、ノースドックが現れるのを待つ。見逃すことはない。「神奈川県民なのに知らなかった」と漏らす参加者もいた。やむを得ないだろう。艦船が2隻止まっているが、海運業の倉庫にしか見えない。そこは単なる倉庫ではない。平和を破壊する兵器が搬入されている。

 瑞穂(みずほ)ふ頭にある横浜ノースドックは、米軍の相模総合補給廠(しょう)や横田基地に米軍物資を陸揚げする玄関口だ。ベトナム戦争の時代は戦車が陸揚げされ、反対闘争が起きた。横浜市は返還を訴えてきた。一部は返還され、民間倉庫もあり、「ハマウィング」と呼ばれる風力発電所が存在する。

今春 実働部隊が配備

 案内役のZENKO関東・神谷宗孝さんが、「追跡!在日米軍基地リムピース」の報告をもとに、ノースドックの現状を説明する。「横田基地所属のオスプレイが飛来。陸上自衛隊の地対艦ミサイル部隊の車両が集結。海兵隊の自走式高機動ロケット砲ハイマースが置かれているのを確認」。ノースドックはすでに玄関口、保管場所などではない。さらに今春、280人の小型揚陸艇部隊が配置される。軍事基地化が強固となる。

 高層ビルの展望室に移動し、横浜みなとみらいとノースドックの全景を見下ろす。商業施設と軍事基地が同時に視界に入る。この違和感≠感じている市民はどれだけいるのだろうか。今春から実働部隊が配備され、兵士の姿でも見れば気づくのか。市民の楽しみと戦争は、絶対に並べるわけにはいかない。

 東神奈川駅から徒歩でノースドックの正門に向かった。近づくにつれ、「ノースドックはあぶない」「横浜港に米軍基地はいらない」などのプラカードを掲げた。2009年に返還されたノースドックと陸地をつなぐ、赤茶色のさびが目立つ瑞穂橋を渡る。橋のアーチには立ち入り禁止の標識が残っている。有名なバー「スターダスト」と戦前からの遺構である貨物用線路を尻目にかけて先を急ぐ。いよいよノースドックに着いた。「STOP軍拡 対話で平和」の大きな旗を広げて、基地をバックに写真撮影。19人の参加者一同で基地に向かって平和をアピールする。警備員がやってきて「写真撮影を止めてください」。この場は引くことに。

 もう"海の向こうの戦争"ではない。横浜は巻き込まれている。市民による平和運動継続を皆で誓い合った。

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