2023年04月14日 1768号

【みんなで読むと、考え深まる。そして世界が広がる MDSかふぇ in岡山】

 週刊MDSの可能性はまだまだ未知数…。新聞を購読する人が減り、紙媒体のメディアが衰退する時代にもかかわらず、私たちは、3月初めに開催した「MDSかふぇ in岡山」で、週刊MDSの新たな可能性を見い出すことができました。

 岡山県の県花である桃の花が咲き誇る季節、岡山駅近くの小さな会議室で開催した「MDSかふぇ in岡山」。週刊MDSを購読している地元の人たちが元気で過ごしているか確かめるため、そして、まだ購読に至っていない人たちとも、週刊MDSの記事の内容をもとに、ざっくばらんに語り合う場を設けようと企画しました。

 他のイベントと日時が重なった上に急遽(きょ)の呼びかけにも関わらず、7名の参加者が集まり、少人数の割には、というより少人数であるからこそ、濃密な時間を過ごせ、参加者たちは「まだまだ話したいことがあります! 時間がもっと欲しいです!!」と言わんばかりの熱意で、大いに集会を盛り上げてくれました。

 特に盛り上がったのは、安倍元総理を殺害した山上容疑者の特集(本紙1736号、1742号)です。参加者の一人が以前、「他の左翼系の新聞では『絶対に許されることではないが…』と前置きするはずのところをストレートに、しかも上辺だけの綺麗事(きれいごと)で済まさず、深く掘り下げて書いていて凄(すご)い」と言っていたのが印象的だったので、皆で記事をシェアし、話し合いたいと思ったのです。

 私自身も、山上容疑者と同世代の新自由主義政策で苦しんできたロスジェネ世代で、自分自身が悩み、苦しんできたことが、紙面で取り上げられた山上容疑者の苦悩と重なる部分が多く、シンパシーを感じていました。「自分自身も精神を病んで退職した。療養しながら再就職活動をするのが本当に大変で、社会復帰に苦労した。自己肯定感がすり減る日々で、運や人間関係に恵まれなかったら、私も犯罪を犯していたかもしれない」と自分事として率直な意見を言うと、参加者から深い理解と共感を得ることができました。

 週刊MDSは広告主から広告料を取らずに発行しているので、広告主に忖度(そんたく)することなく、最大限に「表現の自由」を駆使して、社会の真実を追求する新聞です。そして、広告主などの大きな力やイデオロギーにかき消されることなく、市井(しせい)の人々の「生の声」が届けられます。さらに、記事を取り上げて話し合いをする場を設けることによって、一人で読んで完結するのではなく、他の人の視点や意見から学ぶことができ、いっそう視野を広げることができます。

 「みんなで読むと、考え深まる。そして世界が広がる」

  (岡山・大源亜希子)

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