2023年04月28日 1770号

【議会を変える 民意からかけ離れた市長の「新たな提案」 大阪府交野(かたの)市議 松村ひろ子】

 昨年は交野市政にとって大きな転換の年でした。10月山本景(けい)新市長の所信表明では、「便利な交野コミュニティバス」「市役所は移転せず耐震化」「小中一体校でなく小中別に整備」「水道料金値上げ凍結」「財政再建」などの5大公約について重点的に取り組む旨の話があり、その他チャレンジする施策が挙げられました。

 今年になって、新市長のもとですでに動き出した施策があります。

 前市長のもとで市役所を移転新築する構想が策定されていましたが、約100億円を超える事業費のため行き詰まりを見せていました。 新市長のもとで、市役所を耐震化・長寿命化改修することで約11億円だけの財政支出に抑える見込みとなり、ムダなことに税金を使わず、市民生活に使うことにかじをきりました。

 また、放課後学童指導員がなかなか見つからないことを理由に、学童保育の民間委託が強行されようとしていましたが、新市長のもとでは学童指導員の処遇改善をはかることで指導員不足を解消するとの方向性が示され、民間委託が事実上ストップしました。

 しかし、1月、山本市長より学校整備の「新たな提案」が示され、内容は今まで通りの小中一体校建設を進め、「敷地の狭さ」「学校外の市民プール使用」などに配慮するというものでした。「新たな提案」と言っても、市民の望んだ小中別々整備ではありません。それは誰のための提案なのか。市長と議会多数派が対立していることも理由とされていましたが、市長の選択は疑問です。

 3月議会では、「小中一体校凍結、別々整備の設計」の予算修正案が出されましたが少数否決され、元通りの小中一体校予算に戻りました。原案のままでは保護者の意見も無視されることから、予算案に「大規模校で小中学生が同じ校舎にいることで日々ストレスや不便が強いられないよう改善を求める」付帯決議を提案し、可決されました。

 今後、私も議員としてひとつひとつの施策が実現されるよう尽力すると同時に、声を出す市民と共に、民意からかけ離れた状態の市議会の変革を進めてまいります。

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