2023年05月05日 1771号

【みるよむ(653)2023年4月15日配信 イラク平和テレビ局in Japan 2023 イラクの国際女性デー 「名誉殺人」を容認する女性差別法撤廃へ】

 2023年3月8日、バグダッドで女性の権利団体やイラク労働者共産党が国際女性デーの集会を開いた。参加者たちは「名誉殺人」を容認して女性の人権を踏みにじる法律を撤廃させようと呼びかけた。サナテレビが市民の声を伝える。

 集会・デモのスローガンは「恐れてはならない。私たちは暴力の法律に逆らい、逃げない」と女性の人権を要求している。スブヒ・アルバドリさん(『労働者の共鳴』編集長)は「女性が解放されると、社会の束縛から逃れることができる」と、闘いへの確信を述べる。

 ナディア・マフムードさん(アマーン女性連合)は「イラクの法律は、男性が女性に対して暴力を振う権利を定め、名誉≠竍不名誉≠口実に刑罰を免れさせている」と実態を告発。ナル・ハミードさん(女性のためのアマーン連合)は「国会に女性議員枠があり、女性議員が97人いても、女性への攻撃や差別を進める法律には何の声も上げていない」と批判する。

 スブヒ・アルバドリさんは「宗派私兵による支配があっても、社会の変化は市民の拒絶と抗議、人々の声、労働者の声によって引き起こされる」と明言する。市民の闘いは社会を変える闘いであることが伝わる。

ZENKOにも参加した

 スブヒ・アルバドリさんは2008年9月、ナディア・マフムードさんは2007年8月に、イラク平和テレビ局in JapanやZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)の招請によって来日している。両人とも、サダム・フセイン独裁政権時代から搾取と抑圧の資本主義体制に立ち向かい、現在もイラク労働者共産党員として社会変革の闘いを続けている。 

 議会に女性が進出していても、「名誉殺人」を容認する法律は今も撤廃されていない。サナテレビは社会的な運動によって女性差別法の撤廃を勝ち取ろうと呼びかけている。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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