2023年05月05日 1771号
【統一地方選後半戦 市民病院 再び直営へ/ 市議 中川てつや誕生/政策実現へ始動/滋賀県大津市】
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定数38議席に47人の候補者が挑んだ大津市議会選挙。2回目の挑戦となった「平和と市民自治のまち大津をともにつくる会」代表・中川てつやさんは、前回23票差で次点。その時の悔しさを思い起こしながら、2000票を当選ラインに置いて4月23日、開票を待った。
「当選間違いない」。確信したのは、選挙管理委員会が6回目の開票速報を出した時だ。時計は午前0時を回っていた。開票率98・32%、1995票。最終的に2002票を獲得、前回を226票上回った。
「今回当選できたのは、市民運動や地元の支援のおかげ。投票率が低下する中で200票余り上積みができた」と中川さんは勝利の要因を語った。
主要政策は独立行政法人化(実質民営化)された市民病院を再び市の直営に戻すこと。「稼ぐ医療」は優秀な医師の流出を招き産科が閉鎖されてしまった。中川さんは落選後も引き続き駅頭に立ち、署名を集め政策を拡げる地道な運動を続けてきた。「そんなことは無理でしょう」。現役の市議らは、みな無理な政策と決めつけていた。
だが諦めなかった。市民病院問題の中川≠ェじわじわ広がっていく。感極まった場面がある。街頭演説の時、子どもを連れた母親が駆け寄ってきた。「選挙公報を見て中川さんが一番だと思って入れました」
もう一つ力になったのが、文字通りの地元からの支援だ。在住する町内では10年来の問題があった。大雨による地域の水害がたびたび起こっていた。自治会の役員とともに行った行政への要請が実り、投票日の数日前に対策工事が始まった。
当選のお祝いに駆けつけた役員は「最初、不信感もあった。今では中川さんの力と感謝している。もっと地域に入って根を張ってほしい。4年後を見据え、バックアップ体制をつくっていきたい」と今後の活躍に期待を込めた。
中川さんは「選挙公約をしっかり実現していきたい。6月議会で最初の質問の機会がある。ぜひ傍聴にきてほしい」と決意を語った。
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