2023年05月12・19日 1772号

【OPEN/平和と平等を拓く女たちの絆/統一地方選挙後半 女性疾風吹きまくる】

 4月23日投開票の統一地方選挙後半戦では、前回の記事で期待したとおり、女性議員の飛躍が目立った。市長選挙では過去最多の7人が当選し、市議会選挙では当選した女性議員の割合は全国で初めて2割を超えた。埼玉県三芳町、千葉県白井市、東京都杉並区・武蔵野市、兵庫県宝塚市では、女性の当選者が半数以上となった。

 女性首長の自治体での女性議員進出が特徴的だ。

 女性市長が2代続いている宝塚市は、今回の市議会議員選挙では定数26人のうち女性が14人当選。前市長の中川智子さんは「女性が選挙への立候補をためらっていた時代からみると隔世の感がある」と述べている。

 杉並区では定数48人中24人の女性が当選。女性たちは「区長は変わった。次は議会!」を合言葉にたたかった。岸本聡子区長自ら街頭に立って「投票率アップ」を訴えた。女性区長を誕生させた市民の力が発揮され「議会の勢力図が激変した」と言われている。

議会が変わる

 女性議員が増えることで議会が着実に変わっていく。男性中心の偏った議員構成では届かなかった、若い世代や女性の声が届きやすくなる。何より当事者の声を政策に反映させることができる。

 女性議員の中には、乳幼児の子育て中の議員も多い。そんな議員からは保育所で使用したおむつの持ち帰りを止めさせたり、公園におむつ替えのスペースをつくったり、病児保育を実現させる政策を打ち出すことができる。同世代の女性から、「自分たちの意見を言いやすくなった」という期待の声が出ている。また、女性としての視点から、男性職員の育児休業取得向上や学校でのジェンダー平等教育の実現を要求している。

 これからは、より広い分野へ女性議員が出ていくことも必要であろう。女性だから子育て支援や介護の課題が重点テーマ≠ニいうだけではなく、多様な政策にも切り込んでいかなければならない。

 私は今年度から建設常任委員になった。土木、水道、環境、産業を扱う委員会である。でも7人の委員のうち女性は私一人で、まだまだジェンダー格差が大きい。女性議員が幅広い分野で発言できるようにすることが次の課題である。

(OPEN〈平和と平等を拓く女たちの絆〉代表 大阪府茨木市議・山本よし子)

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