2023年05月12・19日 1772号
【入管法改悪案 衆院採決強行/「廃案一択」の叫び 参院は聞け/クルドの子ら「ここにいさせてください」】
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移民・難民の命を危うくする入管法改悪案の採決が4月28日衆院法務委員会で、5月9日同本会議で強行された。「排除ではなく共に生きよう」の声をさらに広げ、参院で廃案に追い込もう。
「きょうにも委員会採決か」と懸念された4月25日、日本に暮らすクルド人をはじめ市民700人が国会前の歩道を埋めた。
子どもたちが次々にマイクをとる。「トルコに帰りたくない。いじめられ、差別される。ずっと日本で過ごし、夢に向かって頑張りたい」「5歳の頃から日本に。保育士になるために定時制高校に通っている。日本で学んだことを生かしたい。ここにいさせてください」「日本に来て9年目にビザを取られた」「トルコに帰れば危ない目に遭う。ビザを返して」「トルコに戻ったら受験できない。ここで高校・大学を終わらせたい」「保険証を返して」「僕はトルコ語が読み書きできない。帰りたくない」「追い出さないで」…。
国会に向けて「アムネスティ・ナウ(在留資格を今すぐ)」のコールが。上智大学教員の田中雅子さんは「修正協議で子どもに在留特別許可を与える話が出ているが、法改正しなくても当たり前にやらなくてはいけないこと。それができない日本社会が恥ずかしい。子どもに許可が下りたとしても、18歳以上の兄弟や親は送還されてしまう。法案は修正ではなく廃案しかない」と訴える。一橋大学名誉教授の田中宏さんは「外国人の力を借りなければ日本社会は回らない。いかにして外国につながる人たちと共同でこの社会をつくっていくか、差別・排除ではなく共に生きる道をつくるか。永田町の諸君、そのことを考えよ」と迫った。
この日の採決は見送られ、翌26日の法務委員会も流会に。同日、反対署名19万44筆が提出された。
28日午後2時半、「入管法改悪反対」の声がとどろく中、委員会採決強行。移住者と連帯する全国ネットワークの鳥井一平さんは「目の前にいる外国籍の人と一緒に仕事をし、産業を担い、地域を支える。希望のある、誰一人取り残されることのない社会へ。きょう、そのことを改めて誓い合おう」と呼びかけた。
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衆院本会議で4月27日に可決されたGX関連法案とマイナンバー法改悪案、5月9日に可決された軍需産業支援法案に対しても、国会前で抗議アクションが取り組まれている。
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