2023年05月26日 1773号
【みるよむ(655)2023年4月29日配信/イラク平和テレビ局in Japan/三輪タクシー運転手たちは怒る/−政府の一方的営業禁止−】
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イラクで庶民の足として利用されている三輪タクシーを、政府が禁止しようとしている。運転手たちは政府の決定に反対するデモを行った。2023年3月、サナテレビはこの労働者たちの闘いを取材した。
首都バグダッドと南部メイサンで、三輪タクシー運転手の組合が政府の営業禁止に抗議デモを展開した。
運転手のフセインさんは「政府が仕事の機会を与えてくれるなら、三輪タクシーはやめます」と言う。
三輪タクシー運転手の多くは、政府の大量失業政策で仕事を失い、やむを得ずこうした業務に就いた労働者なのだ。
実際の収入は、早朝から夜まで働いても1日1万〜1万5千ディナール(1000〜1500円)にすぎない。時給にしたら100〜150円程度だ。必死に働いてもぎりぎりの生活なのに、今その仕事すら奪われようとしている。
活動家オメール・カティ―さんは「政府は三輪タクシーの輸入を許可したにもかかわらず、その営業を禁止するという道理のない攻撃をかけている」と批判する。しかも、三輪タクシーを禁止するだけで、雇用機会も失業保険も提供しない。仕事を奪われる労働者たちは怒りの声を上げる。
市民の富盗む腐敗政府
活動家のフセイン・アル・ティアーイさんは、政府当局にまともな解決策を要求する。「この若者たちは組織化され、組合もあり、代表者もいます」と語る。デモ参加の労働者たちは自ら組織化し闘っているのだ。
政府の交通総局は「未登録の車両は没収する」と宣言した。これに対し、サナテレビは「腐敗した政府が税金を奪い取り、市民の富を盗むチャンスを作るためなのだ」と批判する。
イラク政府による三輪タクシー営業禁止という仕打ちに、運転手たちが怒り、抗議の闘いを展開している。日本からも連帯したい。
(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)
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