2023年05月26日 1773号
【入管法改悪案 参院審議入り/「排除ではなく共生を」 国会正門前に4000人集う/野党提出の対案も委員会審議】
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5月12日、入管法改悪案が参院本会議で審議入りした。同日夜、国会正門前で開かれた大集会には4000人が参加。「差別と排斥ではなく保護と共生を」と呼びかけた。
トルコ国籍のクルド人をパートナーに持つまゆみさんがマイクをとる。「夫は難民申請4回目。在留資格を得られないまま仮放免の延長が続く。法案が成立し申請が不認定になれば送還の対象となり、強い危機感を抱いている。結婚3年を前に仮放免延長が不許可に。収容された夫の解放を申し入れると、入管は『いらない外国人はみんな帰ってもらいたい。在留資格なんて宝くじに当たったようなもの』と。『国に帰って危険な目に遭ったらどうする』と聞けば、『自己責任ですから』と半笑いで答えた」と告発し、「排除・分断せず、在留・就労を認め、人として最低限の社会保障を与え、共生することこそ、この国を豊かにするプロセスではないか」と訴えた。
参院の野党4会派は難民の保護を柱とした対案を共同提出している。発議者の一人、立憲民主党の石川大我議員は「法務委員会で政府案と一緒に審議することになった。入管法の問題を扱う野党の国対ヒアリングも行われる。世論を広げる力になる」と報告する。
仮放免中で自由な移動を禁じられ、集会参加がかなわなかった19歳のクルド人ロザリンさんからのメッセージが代読された。「私と同じ学生たちが一生懸命夢に向けて日本語を覚え、勉強に集中している。学生から夢を奪うのがよいのか。長い間日本にいるのに、知らない国に強制送還するのがよいことなのか」と問いかける。
主催団体の一つ、反貧困ネットワークのメンバーが入管収容施設の窓から掲げられた“PLS HELP US(助けて)!!!”のTシャツを手に登壇。瀬戸大作事務局長は「5月21日、渋谷の国連大学前からなかなか報道しないNHKをめがけて1万人の大行進をやり、法案をぶっ潰す」と宣言した。

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