2023年06月02日 1774号

【世代を超えた基地化反対運動へ/「私たち若者に任せてください」/沖縄】

 政府が沖縄・琉球弧の軍事力強化を進めている中、5月21日に沖縄県中頭郡北谷町(なかがみぐんちゃたんちょう)で「島々を戦場にしないで!沖縄を平和発信の場にしよう 5・21平和集会in北谷」(主催−同集会実行委員会)が行われ、2100人が参加した。

 会場の公園には、プラカードの手作りコーナーやキッチンカー、写真パネルが並び、初めて参加する人や子どもたちがなじみやすい工夫も随所に見られる。

 チラシ・横断幕・幟・Tシャツのデザインを担当し集会を華やかせた石垣島出身の阿利斎生(ありいつき)さんが若者代表としてアピール。「これからは、私たちが子どもたちを育て社会を担っていく世代。『若者は関心がない』と責めないで、私たちを信じてほしい。次の県民大会は若者が主体となって実施していきたい」。この発言が、沖縄の新たな平和運動を創り出してきていることを感じさせる。

 集会名称に「争うよりも愛しなさい」という言葉が加わったのも、若者の発案だという。

住民同士の対話で平和を

 実行委員長あいさつは具志堅隆松さん(沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表)。「政府は戦争することを前提に法整備を進め、沖縄の住民は屋内へ避難することしか想定されていない。昨日、サミット反対で広島へ行った時、台湾の市民運動団体から招請を受けた。戦争をさせないために私たちは、中国や台湾の住民と直接につながっていかなければならない」

 運営委員長の山城博治さん(ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会)は「6〜7月に新たな会を立ち上げ、秋に那覇市で県民大会を成功させたい」と計画を発表。

 陸上自衛隊ミサイル基地や補給拠点の建設が強行される与那国島、宮古島、奄美大島、馬毛島、沖縄市、うるま市から訴えが続く。遺骨土砂の搬出に反対する南風原(はえばる)町、労働組合、北マリアナ諸島の戦争体験者、沖縄県議会議員らもリレートーク。

 琉球弧における軍事化の現状を共有した。

 集会宣言には「馬毛島および種子島、奄美大島、沖縄島、宮古島、石垣島、与那国島。軍事拡大に脅かされる島々の想いを一つに私たちはここに集い、平和への強い想いを込めて宣言します。私たちの願いは一つです。これからの子どもたちのためにも、戦争のない平和な世界を残すことです」と決意が示された。軍事力ではなく、対話での平和構築を求めて、さらに大きな県民大会を創り出していくことを誓った。

私たちに任せてほしい

 司会をつとめた若者・平良友里奈さん(東アジア共同体研究所琉球・沖縄センター)は集会をこう始めている。「あきらめずに平和運動に取り組んでこられたシニア世代のパワーも、若者のエネルギーも一つに、一緒に平和を考え二度と沖縄を戦場にさせないために、力を合わせていきましょう」

 まさに世代をつなぎ、平和をつなぐ集会だった。

 また石垣島においても時を同じくして「5・21平和集会in石垣『島々を戦場にするな!沖縄を平和発信の場に!」(主催−島を戦場にさせない市民集会の会)が連動して行われていることも報告された。

MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS