2023年06月16日 1776号

【平和は平和的手段で ウクライナに平和を国際サミットの呼びかけ(要旨)】

 国際的平和団体IPB(国際平和ビューロー)やPEACE IN UKRAINE(ウクライナに平和を)連合、米反戦団体CODEPINKなどの呼びかけで6月10〜11日、OSCE(欧州安全保障協力機構)事務局のあるオーストリア・ウィーンで「平和は平和的手段で ウクライナに平和を国際サミット」が開かれる。その呼びかけ文(要旨)を紹介する。

 平和サミットの目的は、緊急国際アピール「ウィーン平和宣言」を発表し、政治指導者らにウクライナでの停戦と交渉を支援する行動を呼びかけることだ。

 サミットは、ロシア・ウクライナ戦争に関連した意見の分かれる問題を議論し、さまざまなNATO(北大西洋条約機構)諸国の市民社会の代表に加えて平和サミットの目的を支持するロシアとウクライナの代表の声を聞く。グローバル・サウスからの参加者は、戦争がもたらした劇的な影響を伝え、どう平和に貢献できるかを強調するだろう。会議は、戦争を終わらせるための創造的な解決策や方法、交渉の準備にも焦点を当てる。これは、今日ではますますグローバルな市民社会の任務にもなっている。

 サミット終了後はウィーンで、NATO加盟各国の大使館、ロシアとウクライナの大使館、国際機関に向けてデモが行われ、世界中の人びとが発した「ウィーン平和宣言」が届けられる。

平和の論理で対抗

 私たちはウクライナにおけるロシアの不法な侵略を非難する。戦争は民間人と兵士の死傷を引き起こし、ウクライナの人びとに計り知れない苦しみをもたらし、同国の環境とインフラを破壊し、世界中で食糧とエネルギーの価格高騰を引き起こし、貧困と飢餓を―とくにグローバル・サウスで―悪化させ、全世界を核戦争の脅威にさらしている。

 兵器が沈黙し、外交が紛争を解決する時が来た。戦争の論理に平和の論理で対抗しなければならない。

 最も重要なこととして停戦と交渉、戦争の代案となる平和的解決の促進に向けてどのように効果的に活動できるかについて議論するために集まろう。

 いま緊急に必要なのは、すべての当事者に戦闘をやめ話し合いを始めることを要求するグローバルな運動だ。さまざまな停戦アピールへの国際的な支持は、絶好の機会が開かれつつあることを示している。

 なぜウィーンなのか。

 オーストリアは中立国だ。ウィーンは「国連都市」であり、ミンスク合意IIの署名以降ドンバスの状況を監視してきたOSCEの事務局が置かれている。

 この取り組みを強化することは、世界中の平和運動と平和を愛するすべての人びとの責任だ。「ウクライナに平和を国際サミット」は、力強い希望のしるし、多くの強力な平和アクションをグローバルに促すきっかけとなる。人類の未来は存亡の岐路にある。手遅れになる前にチャンスをつかまなければならない。
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