2023年06月16日 1776号

【宮古島 戦争止める闘いを全国から/ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会 清水早子さん】

 「2015年5月11日、私たちの闘いはここから始まった」。左藤章防衛副大臣が宮古島市役所で下地敏彦市長に、陸上自衛隊ミサイル部隊などの配備を正式に打診した日だ。

 「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」共同代表の清水早子さんは、宮古島で進む軍事要塞化とそれに対する闘いを報告した。自衛隊受け入れを進めた下地市長は基地用地売買をめぐり賄賂を受け取った。不正取得の土地に弾薬庫や隊員宿舎などが建設された。地対艦ミサイルや地対空ミサイル用の車両がずらりと並ぶ。総重量700トンの燃料タンクが設置されたその下は軟弱地盤だった。「地下水を汚染すれば島には住めなくなる」と清水さんは新たな危険性にふれた。

 宮古島はミサイル基地とともにレーダー基地でもある。17年に最新鋭の弾道ミサイル対処機能が加えられたFPS−7レーダーは欧州安全基準の2000倍の強さの電磁波を放出、家畜に被害が出ているほどだ。盗聴用のスパイレーダーもある。隊員用の地下シェルターまでつくられている。

 市民は19年の軍用車両搬入、20年のミサイル部隊配備などその都度阻止行動を行ってきた。中でも「歴史的闘い」と清水さんが話すのは、21年11月の弾薬搬入阻止の闘いだ。早朝、30人から40人が雨中、道路に寝そべって車両を止めた。その2倍から3倍の機動隊員に排除された。「弾薬は入れさせない。全員、逮捕されることも覚悟し、身辺整理をして臨んだ」

 抗議のスタンディングは2000日を超えた。共感の声は広がっている。「これからは、下地島空港の軍事転用を監視しなければならない」と清水さん。「全国300の基地を強靭化するという。こんな理不尽な岸田政権には倒れてもらわねばならない。全国で戦争を止める闘いをみなさんとともに進めましょう」
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