2023年06月23日 1777号

【さかいみほのじゃらんじゃらんinインドネシア ジャカルタ編(14)/女性について(2)】

 皆さまお元気でお過ごしでしょうか。ようやく花粉症も落ち着いたかと思えば、極端に暑くなったり、地震が頻繁に起こったり、はたまた豪雨だったりと、日々安心して暮らすことがいかに貴重で平和なことか、改めて思い知らされますね。

 選挙などで随分と時間が空いてしまいましたが、今回も、政治という観点から女性をみていきたいと思います。

 前回は、メガワティ元大統領(現職―闘争民主党党首)について少し触れました。インドネシアの国家元首は大統領ですので、就任の経緯などはともかく、女性が「国を代表する顔」となったのは、インドネシアの民主化、特に女性の政治参画をアピールできる良い機会だったと思います。

 民主化以降、政治分野においてジェンダー平等を目指すためのアファーマティブ・アクション(積極的な格差是正措置)がとられるようになりました。議員候補者の一定数を女性と定めるクオータ制が導入されたのです。

 1999年まで、インドネシアの選挙は、限られた政党だけを選ぶ拘束名簿式比例代表制でした。選挙や政党に関わる法が次第に整備され、個人として立候補が定められている地方代表議会(DPD)を除き、国民代表議会(DPR)と州議会および県・市議会(DPRD)選挙は、選挙参加政党(党役員は女性が少なくとも30%)によって、候補者の少なくとも30%を女性とする(候補者リストのどの3人を切り取っても少なくとも1人が女性でなければならない男女交互名簿)非拘束名簿式比例代表制で闘われるようになりました。

 そうして、国政ベースで1999年総選挙時にはわずか9%であった女性議員は、11・24%(2004年)、18%(2009年)、17・32%(2014年)、20・52%(2019年)と、ほぼ右肩上がりで増えていきました。《続く》  (筆者は2020年までインドネシア在住)

2019年総選挙にて、国民代表議会(DPR)西ジャワ州5区の投票用紙写しの一部。候補者リストは字が小さくて分かりづらいですが、性別欄のPが女性、Lが男性で、本人写真付き、政党(選挙参加への届出をして、承認されれば番号が抽選となる)ロゴ付き(色盲の方への対策だと信じています)。党リスト下には小さく、女性候補者が何%かが記載されています。選挙参加政党は10以上ですので、投票用紙はとーーーーーーっても大きいのですよ!(体感でA2とかポスターサイズでした)
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