2023年06月23日 1777号

【改悪入管法 成立強行/共に生きる社会へ 私たちはあきらめない/闘いが入管制度の闇を暴いた】

 移民・難民の命を危険にさらす改悪入管法が6月8日参院法務委員会で、9日同本会議で自民・公明・維新・国民などの数の力で強行可決され、成立した。

 8日朝、参院議員会館前に集まった市民は、議事堂内の委員会室により近い国会図書館前に場所を移し、「人の命を奪う採決をやめてください」「民主主義を壊す採決をやめてください」と力いっぱい声を上げる。法務委員会の杉久武委員長は公明党。同党支持者もマイクをとり、「杉さん、あなたと同じ創価高校出身の人たちも反対の声を上げている。池田大作先生から“正義のために一人立つ”と教わったではないか。真逆のことをしているではないか。これが大衆のための法案なわけがない」と叫んだ。

 午前10時40分、採決強行。「採決撤回」「市民は忘れないぞ」「誰も殺すな」のコールが繰り返される。移住者と連帯する全国ネットワークの鳥井一平さんは「私たちはあきらめない。命を奪わせない現場での取り組みを続けていく。違いを尊重し合う多民族多文化共生社会をつくる」と表明した。

 リレートークが始まったところへ日本維新の会の宣伝カーが乗りつけた。ミャンマーの少数民族ロヒンギャのミョーチョーチョーさんが必死の形相で駆け寄り、参加者が「何しに来たんだ」「人権無視の維新はいらない」「帰れ、人でなし」と怒りをぶつける。

 反貧困ネットワークの瀬戸大作さんは「当事者たちは寝れない状態にいる。入管に呼ばれて強制送還されるかもしれないと怯(おび)えている。当事者の思いを最優先に、しっかり守りきろう」と呼びかけた。

 一貫して難民支援に取り組んできた#FREEUSHIKUの長島結さんは「悔しい。でも、一人ひとりが主体的に動いた。個人の声がこんなに集まったことはない。次にやることは決まっている。本当の改正案を作らせることだ。法務省を取り囲もう。解散・総選挙があるという。法案を通した議員の名前を覚えておこう」と提案した。



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