2023年06月23日 1777号

【岸田政権の軍拡 戦争路線は許さない 全国13地域でMDS集会開く】

 国会終盤の6月11〜18日、MDS(民主主義的社会主義運動)は全国13会場で地域集会を実施。岸田政権の軍拡、戦争路線を許さず、東アジアに平和を確立しようと呼びかけた。11日には滋賀県大津市、大阪府大阪市、堺市、枚方(ひらかた)市、寝屋川市で開催された(2面に集会基調報告要旨)。

維新支配NO カジノ止める闘いを若者とともに 大阪市

 大阪市集会には約50人が参加。山川よしやすMDS書記長が大阪維新市政の問題と結び基調報告を行った。

 講演後、ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)スピーキングツアーで沖縄から若者とともにつくった運動を報告した山城博治さん(戦争に反対する全県組織立ち上げ準備委員会呼びかけ人)の提起(前号3面参照)を踏まえ、「大阪の維新支配の中で何が必要か」と質問があった。

 山川さんは「維新の『自分の能力で大金を得た人は、税金は少なくてもよいのではないか』との主張に同意≠キる若者が増えています。自らの低収入がどういう労働環境の中で生み出されているかを理解し、若者自身に主権が在ることを認識すれば、ともに主体となってスローガンも築いていけるのではないか。投票率が半分以下の中で、若者も含めた無党派層を巻き込んでいくことがポイントだと考えています」と述べた。

 夢洲(ゆめしま)カジノ反対闘争について、IR開業見込まで7年あることを見据え、政府による認定の前提「7つの条件」を材料に、撤回させる基盤があることを強調。6月23日の国土交通省への要請行動、24日「夢洲カジノを止める会」の全体会議への参加を訴えた。

 グループ討議では、障がいのあるメンバーが加わったグループで、1年間かけて行政への申し入れを継続し要求を実現した成果を確認。介護職場のメンバーも、職場の介護サービスを変えていく決意を新たにした。

 森厚子大阪市地区委員長が▽ZENKOin横須賀に向けた6月18日の全国実行委員会▽7月2日、カジノ問題を柱としたプレZENKO▽同月20日、大阪府市へのワンデイアクションなどへ参加を呼びかけた。

 集会後は、デモで岸田政権打倒、カジノ反対を市民にアピールした。




大阪・枚方 軍拡でなく平和を 市民に伝える

 11日の枚方(ひらかた)集会では、基調報告で「軍事費5年間で17兆円増、これだけあれば…」との具体例や増税の狙いが暴かれた。それを受け、「講演を資料やパネルにして市民に知らせたい」「低賃金・非正規雇用と厳しい状況の若者にも、軍拡増税を語っていきたい」「宇治祝園(ほうその)の弾薬庫が話に出たが、戦前の枚方・香里ヶ丘の弾薬庫と重なった。平和戦跡を学習しているグループにも軍備増強の実態を伝えたい」と意見が出される。

 グループ討議では、スピーキングツアーから「シェルターなどと言っているが、住民を守るためではない」「韓国サードミサイル阻止の女性たち、宮古島のミサイル搬入阻止で娘と座り込む楚南さんらの姿に覚悟を感じた。私たちも連帯を!」など、それぞれが感じたことも交流。

 ウクライナ平和サミットなどをマスコミは報道しないが、世界に戦争を止めようとの動きがあることは希望だ。国際連帯で東アジアの平和をつくるZENKOin横須賀に向けて、7月9日の「ZENKOを成功させる枚方のつどい、『沖縄、再び戰場へ』スピンオフ上映会」を多くの人に呼びかけようと確認した。

 枚方市駅前再開発・市役所移転問題、カジノを止める闘いのアピールもあり、社会を変える運動をともに頑張ろうとの思いを固めた充実した集会となった。

(MDS枚方・戸川悦子)


滋賀/現場レベルから戦争 悪政と闘おう

 滋賀集会では重要な質問があった。政府の悪政とどう闘うのかという点だ。「現場レベルで闘えると報告にあったが、どういうことか。法律ができても無視できるのか」。教育費や社会保障費の削減に反撃できるのか。この問いかけには、4月の大津市議会選挙で当選した中川てつや議員が答えた。「例えば、政府は介護保険に自治体の一般財源を入れるなと通知を出してるが、無視している自治体もある。市民のための政策を市長に決断させるために、議会と市民の力がいる」と力説した。

 中川さんは初の議会質問に立つ。市民病院の再直営化、高齢者の交通補助、非正規職員(会計年度任用職員)の処遇改善をもとめる。さらに、マイナンバー法、入管法、軍事強化資金法、軍需産業支援法など政府が成立させた悪法の数々を廃止せよとの意見書を出す準備をしている。「是非傍聴を」と呼びかけられた。

 基調報告への意見が出た。「MDSはウクライナ戦争の即時停戦を主張しているが、その点は賛同できない。ロシアが占拠した領土をロシアが返還しなければ、停戦はできないのでは」。「即時停戦はロシアを利する」というのは平和運動に取り組む団体の中でも意見が交わされている重要な論点だ。

 参加者はそれぞれ自分の考えを述べた。「戦争が長引けばそれだけ犠牲者が増える。ロシアの若い兵士やウクライナの兵士が死んでいくのを止めないといけないと思う」「勝つまでがんばれとは言えないし、市民としてはまず話し合えと言いたい」。戦争を止めるために、一人一人が考え行動することが問われている。

 参加者は約20人。身近に迫る戦争の脅威や生活破壊の悪政との闘いを進めるMDSへの参加が呼びかけられた。

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