2023年06月30日 1778号

【インボイスSTOP全国一揆/ 国会前に1500人】

 10月から導入予定のインボイス制度の廃止を求めて6月14日、「増税もう無理!! STOPインボイス全国一揆」が行われ、国会正門前には1500人が集結。主催の「インボイス制度を考えるフリーランスの会」メンバーの阿部伸さんは「いま全国20か所で同時に一揆≠ェ行われている。これ以上国民を貧困にしてどうするのか。この思いを共有したい」と訴えた。

インボイス制度とは

 全国一揆≠ノまで波及したインボイス(適格請求書)制度とは、年間売上額が1千万円以下で消費税の納税を免除されている事業者も含めて、すべての事業者が課税事業者としての選択を強いられる制度だ。

 書店を例にする。A書店がB問屋から10万円で仕入れ、消費税込11万円をB問屋に支払う。A書店は消費税込22万円で販売。この過程でA書店の消費税納税額は、【販売で得た消費税2万円】―【仕入れで支払った消費税1万円】=国に納める消費税1万円。これが仕入税額控除だ。

 先にB問屋は仕入れ先のC出版社に税込5万5千円(5千円は消費税分)を支払っている。しかしB問屋はA書店のように仕入税額控除後の【1万円―5千円=5千円】を国に納めていない。年間売上額1千万円以下の免税事業者だからだ。

 インボイス制度が開始されてもB問屋は免税事業者のままだとする。A書店はB問屋との取引で仕入税額控除は使えず、消費税分として国に2万円納め、B問屋に1万円支払うことになる。A書店は仕入税額控除が使える他の問屋との取引を望むだろう。そうなればB問屋はどうするか。免税事業者のままだと取引は減っていく。では廃業か。仕事を続けていくには課税事業者になるしかない。フリーランスの人などは、年間売上額が200万円しかなくても消費税を納めさせられる。これが弱者を痛めつけるインボイス制度だ。

増税≠ヘやめてくれ

 軽貨物ユニオンのドライバーは「増税されると半月ただ働き。課税事業者にならないと『仕事を回さない』と言われている」。野菜農家は「農民は90%が免税事業者。価格に転嫁できない」。ウーバーイーツ配達員、建設業界からも同様に増税≠「じめによる窮状が訴えられた。

 映画監督の深田晃司さんをはじめフリーランスが多い漫画・アニメ・演劇・音楽業界は文化の衰退を憂う。

 立憲野党の議員も駆けつけ、廃止への連帯を誓った。

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