2023年07月07日 1779号

【1779号主張/悪法量産 最悪の異常国会 一刻も早く倒閣 政治転換を】

戦後最悪の暴走国会

 通常国会が閉幕した。戦後、歴代政権が形だけでも守ってきた「歯止め」を突破する悪法が次々と成立。最悪の異常国会だった。

 防衛費2倍化のため軍事力強化基金を創設する軍拡財源法は、琉球弧をはじめ日本全国の軍事要塞化を進め、日本を「まず攻める国」に変える。福島の教訓を忘れたGX関連法は、老朽原発運転の60年超延長や新増設に道を開き、脱原発、再生エネルギーへの転換を妨げる。入管法改悪は、外国人を犯罪者とみなし、その命さえ直接的危険にさらす。LGBT法は、当事者が求めた差別禁止条項を盛り込まないどころか、かえって性的少数者への差別を強化する悪法に改変させられた。健康保険証を廃止しマイナンバーカードに一体化する改悪マイナンバー法も、トラブル続出もかえりみず制定を強行した。

支持率急落で解散断念

 毎日新聞世論調査(6/17〜6/18実施)では、岸田内閣支持率はわずか1か月で45%から33%へ12ポイントも急落。他の調査でも軒並み下落している。「異次元の少子化対策」で少子化問題の改善に「期待できない」が77%、マイナンバーカードをめぐる政権の対応は「適切ではなかった」が72%を占めた(6/19朝日)。 岸田は衆院解散断念に追い込まれた。

 市民の生活苦を放置し、さらなる負担増をもくろむ政策は支持されていない。にもかかわらず悪法が次々成立した背景には「野党」の姿勢もある。維新、国民民主両党は悪法量産の自公政権に全面的に協力、醜悪な補完勢力となった。市民を絶望の底に突き落とす自国維公(地獄行こう=jの翼賛体制だ。

 一方、こうした異常な暴走は支配勢力の基盤をも揺るがさずにはいない。1999年の自公政権成立以来、四半世紀近く続いてきた両党の「信頼関係が地に落ちた」(公明党幹部)。東京での自公選挙協力が崩壊する事態に発展した。衆院定数の10増10減問題をめぐる選挙区調整の難航が表向きの理由とされる。だがその根底に市民無視、グローバル資本最優先の政策を長期間続けたことへの怒りと不満があり、支配層に亀裂を生み出しつつあるのだ。

闘いで政治転換を

 市民が国会前に駆けつけ抗議の闘いが続いた。入管法反対闘争は若い世代にも支持、共感が広がった。あきらめず闘い続ければ、政治的地殻変動を作り出す可能性は十分ある。

 2023ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)in横須賀(7/29〜7/30)は、沖縄をはじめ国内ゲストと米国、韓国、イラク、インドなど海外ゲストが対面でそろう久々の場となる。国際連帯の力で「自国維公」翼賛解体、岸田内閣退陣、根本的政治転換を実現し、民主主義的社会主義へ進もう。

 (6月25日)
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