2023年07月07日 1779号
【「君が代」調教NO!松田処分取消裁判控訴審 不当な結審強行】
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6月13日、大阪高裁で「君が代」調教NO!松田処分取消裁判控訴審の第1回期日が開かれた。
駆けつけた支援者でほほ満杯の傍聴席を背に、原告の元大阪市中学校教員、松田幹雄さんが冒頭意見陳述。「教員への『君が代』強制は子どもにとっても人権侵害。『起立・斉唱』の職務命令に従うことは、子どもたちへの権利侵害に手を染めることだ。教員としての思想・良心に基づく行動だった」と述べ、その論点の事実認定と判断を求めた。
ところが、阪本勝裁判長は、被告大阪市の「原審で結論は出ている。早期の結審を」との「主張」を丸呑みし、不当にも結審を宣言。「7月27日、判決言い渡し」と一方的に告げ、閉廷した。「控訴審を保障しろ」「裁判所はまともに仕事しろ」と傍聴席から怒りの声が沸き起こった。
報告集会では、冠木(かぶき)克彦弁護士が「国際法を政府が全然守らないのが大問題で、根底にあるのが天皇制だ。障がい者が大勢ジュネーブに押しかけ『もう我慢ならん』と訴えて人権を守らせる運動が前進した例もある。国際基準を守れ≠普遍的な課題として推し進めねばならない」と力強く発言した。支援者からも判決までの行動など次々と意見が出された。
判決期日は7月27日14時高裁84号法廷。
高裁判決日に裁判所一周デモも/子どもの権利条約違反!自由権規約違反!を徹底して訴える
教職員なかまユニオン・松田幹雄
意見陳述で、私は、「起立・斉唱職務命令に従うことは、自らが子どもたちへの権利侵害に手を染めることだ」という私の認識(不起立不斉唱の理由)が事実認定されていないことを問題とし、この思想良心にもとづく不起立不斉唱の行為について、国際人権自由権規約18条に照らして処分の可否を、と訴えました。
大阪市の控訴答弁書は、こちらの主張を「独自の主義主張に基づいた意見」と決めつけ「原審において被告として行った反論に加えて、独自に反論することはない」としていました。大阪高裁(阪本裁判長)は、それを「根拠」に結審を宣言したのです。少しでも内容に入ると、請求棄却の原判決を維持できなくなる判断があるのではと疑ってしまうような訴訟指揮でした。
結審2日後の15日、処分撤回のための支援組織D―TaCのミーティングで、7月27日判決までの方針を検討しました。1回での結審を批判し、「『君が代』強制は、子どもの権利条約違反! 国際人権自由権規約18条違反!」を訴えるビラを作成し広く配布すること、判決日当日に裁判所一周デモをやって判決言い渡しに臨むことを決めました。
6月17日「日の丸・君が代」強制反対大阪ネット集会には、今年の小学校卒業式、中学校入学式を経験した12歳の娘さんとお母さんが参加され、「君が代」不起立・不斉唱の経過を聞くことができました。「周りの迷惑」や「式の成功」を理由に起立・斉唱を迫る学校の対応に、私の処分を撤回させて子どもたちの権利を保障する学校に変えたいと強く思いました。
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一方、5月17日に大阪地裁で勝訴判決を勝ち取った「コロナ在宅勤務不払い裁判」では、大阪市・横山英幸市長がこっそり控訴したことが分かりました。附帯控訴して控訴審を闘います。
請求内容をすべて認めさせ、大阪維新市政のコロナ失政検証につながる控訴審にしたいと思っています。ともにご支援をよろしくお願いします。
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