2023年07月07日 1779号

【不発に終わった「岸田解散」/支持率低下で身動きできず】

 岸田内閣の支持率が再び下落に転じた。この状態で総選挙を行えば確実に負けるという現実を突きつけられ、岸田文雄首相は通常国会会期末での衆院解散を見送らざるを得なくなった。

 報道各社の最新世論調査をみると、岸田内閣の支持率は軒並み低下している。時事通信調査(6/9〜6/12実施)が前月比3・2ポイント減の35・1%、共同通信調査(6/17〜6/18実施)が6・2ポイント減の40・8%、毎日新聞調査(6/17〜6/18実施)が12ポイント減の33%等々。

 支持率の落ち込みが一番激しかったのは読売新聞の調査(6/23〜6/25実施)だ。5月調査より15ポイント減の41%となり、不支持率44%(11ポイント上昇)を下回った。G7広島サミット期間中に行われた5月調査では支持率の急上昇がみられたが、それは一時的な現象だったようだ。

 自民党が6月上旬に実施した情勢調査の結果は衝撃的なものだった。いま解散総選挙を行った場合、42議席減で単独過半数割れという数字が出たのである(6/14現代ビジネス)。ある閣僚経験者は「当初浮上した6月16日に解散していたら、死屍累々となるところだった」と胸をなで下ろす。

 自民・中堅議員は内閣支持率急落の理由を「マイナンバーでしょうね。地元でも高齢者の問い合わせがすごい」と語る(6/19TBSニュース)。実際、現在の健康保険証を来年秋に廃止してマイナンバーカードに統合する政府の方針について、72・1%もの人が延期や撤回を求めている(共同通信調査)。

 岸田軍拡・大増税への不満が充満しているところに、“マイナトラブル”が火をつけたことは明らかだ。誰も望まない政策無理強いする岸田政権に、世の人びとはとっくに不信任を突きつけているのである。(O)
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