2023年07月14日 1780号

【議会を変える/戦争に行かされるのは若者/自衛隊への個人情報提出は不当/大阪府茨木市議 山本よし子】

 私は茨木市議会6月定例会で、自衛隊への個人情報の提供について質問しました。

 自衛官募集のための名簿として住民基本台帳に記載されている18歳と22歳の住民(若者!)の住所、氏名、生年月日、性別の4情報を電子または紙媒体で提供している市区町村は、2021年度で全国の約55%に及んでいます(4/9しんぶん赤旗)。

 茨木市は、20年までは住民基本台帳閲覧の形をとっていました。自衛官が台帳の情報を書き写す作業をしていたようです。それが 21年からは電子データで提供していることが明らかになりました。背景としては、21年2月、防衛省と総務省連名の「自衛官又は自衛官候補生の募集事務に関する資料の提出について」の市町村担当部局あての通知があると思われます。提出の「法的根拠」として自衛隊法97条と施行令120条の規定があるとの答弁がありました。

 しかし、個人情報の提供については、どこにも明記されてはいないのです。個人情報を本人の同意なしに自衛隊に提供することは、プライバシー権を侵害する恐れがあるのではないか、と意見を述べました。

 個人情報保護の観点から、情報提供の拒否を希望する人は申請できる制度があります。けれども茨木市の場合、市民への周知はまったく不十分であり、この5月までに申請があったのはたった14人。今年自衛隊に情報を提供した5603人分と比べると極端に少ない。これで「本人の同意を得た」とは言い難い。

 このように本人の知らないうちに情報が自衛隊に渡され、若者が知らず知らずのうちに戦争に協力させられていく道が開かれているのです。

 神奈川県では、県立高校の門前で迷彩服を着た自衛官が高校生に自衛隊への勧誘を行っていた事実が写真入りで報じられています。

 若い人たちにもっとこうした事実を伝えていくと同時に、自治体は自衛隊の要請に安易に従うのではなく、地域から平和を守り、市民の命と権利を守る歯止めにならなければならないと訴えました。

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