2023年07月14日 1780号

【解雇撤回2争議が初エントリー/6・30東京総行動/パワハラやめろ/社長は逃げるな】

 6月30日、雨の中、日本製鉄本社前からJAL本社前まで全一日取り組まれた東京総行動には、二つの争議が初エントリーした。外資系新薬開発企業サイネオス・ヘルス・クリニカルを相手取った首都圏なかまユニオンの争議と、ホテルグループ・ピードアを相手取った全統一労組ピードア分会の争議だ。

 サイネオス社では、長時間労働による健康被害が多発。ユニオンは過労死ラインを超える“サービス残業”の是正を求めてきたが、同社は不誠実な交渉を重ねたあげく、総行動の前々日、組合員Sさんを解雇した。

 サイネオス日本橋オフィス前でSさんがマイクをとる。「2日前、呼び出され、『あなたはもう社員ではない。パソコンとセキュリティカードを置いて私物をまとめてお引き取りを』と。パワハラが横行し、退職者が後を絶たない社風を改善したいと交渉した私に即日解雇を言い渡した。社内は無法地帯。このままでは死人が出る。私は解雇撤回を要求し、サイネオス社の体質改善を求めていく」

 ピードアグループは2021年2月、「コロナで経営が厳しい」としてフィリピン人従業員全員を解雇。今年2月、東京地裁が「解雇は不当」と組合側全面勝訴判決を出したが、社長は逃亡を続けている。

 鶯谷のホテルシャーウッド前で分会長の長谷川ロウェナさんが決意を述べる。「私たちを安く使い、都合悪くなるとウソをついて首にし、自分は逃げてしまう経営者を許さない。労働者はモノではない。使い捨てにしてはいけない。私たちには権利がある。労働組合がある。この闘いは絶対に負けない。マラーミン・サラーマッポ(ありがとうございます)」

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