2023年07月21日 1781号

【住宅追い出し裁判控訴審 仙台高裁が開始即結審 裁判権を奪う暴挙】

 原発避難者住宅追い出し裁判で仙台高裁第3民事部は7月10日、控訴審開始即時結審の暴挙に出た。

 一審福島地裁に続く結審の強行は、避難者の「避難の権利」「居住権」を無視し、憲法32条(何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われない)に違反し裁判所の存在自体が問われる重大事態だ。

 約40人の傍聴者が見守り、第1回口頭弁論が始まった。瀬戸口壮夫(たけお)裁判長は「予定していなかったが、わざわざ遠くから来られているので」と反訴原告の意見陳述を促す。原告Aさんが十数分にわたって理不尽な福島県の対応を批判。柳原敏夫弁護士が8点の控訴理由を述べた。

 その直後、裁判長は突如「弁論を終結します」と宣言。大口昭彦弁護団長が「裁判長!」と立ち上がって猛抗議し、法廷は騒然となった。傍聴者も立ち上がり、「審理してください」「高裁の存在意味がないぞ」「憲法違反だ」と声を上げる。裁判長の「判決日は…」の声は聞き取れない。用意していた文を棒読みし、怒号の中そそくさと退廷した。

    (詳報次号)

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