2023年07月28日 1782号

【1782号主張 国際連帯の2023ZENKOへ 戦争止め東アジアに平和を】

戦火導くNATOと岸田

 NATO(北大西洋条約機構)首脳会議が7月11〜12日、リトアニアで開催された。ウクライナ戦争への長期的軍事支援で合意し、加盟国の軍事費について「GDP比2%」を目標から「下限」としてさらなる軍拡を強いる。戦争の長期化で犠牲になるのは市民だ。今こそ即時停戦、軍事援助中止の声を広げていかなければいけない。

 日韓豪ニュージーランドもアジア太平洋パートナー国として参加。「東アジア版NATO」を構築し、対中軍事同盟強化を狙う。岸田首相はNATOとの軍事協力をうたう新文書「国別適合パートナーシップ計画」を発表した。NATO軍事演習への自衛隊参加機会拡大など一体化を強め、世界へ戦争準備を広げるものだ。

 東アジアでは日米韓が軍事演習を常態化している。日本では7月、陸上自衛隊が日米共同軍事演習「レゾリュート・ドラゴン23」前段の指揮所訓練、航空自衛隊が多国間共同訓練「モビリティ・ガーディアン23」を実施、海上自衛隊は米豪主催多国間共同訓練「タリスマン・セイバー23」に参加する。豪州やフィリピンとも軍事演習を重ね、基地強化、軍拡で東アジアの軍事緊張を高めている。

一枚岩でない戦争勢力

 しかし、事態は戦争勢力の思惑通りには進んでいない。ウォレス英国防相は、ウクライナへの武器供与について「我々は(ネット通販の)アマゾンではない」と不満をあらわにした。NATO東京事務所開設は、マクロン仏大統領らの反対で事実上白紙に戻るなどNATOも一枚岩ではない。

 また、中ロや日米韓朝も参加したASEAN(東南アジア諸国連合)地域フォーラム(7/14)などを通じ、ASEANは核兵器の使用、威嚇禁止等を定めた「東南アジア非核兵器地帯条約」署名や軍事衝突回避について中ロとの交渉を前進させている。東アジアの平和をつくる道筋は、演習激化・軍拡・核共有ではなく、外交と軍縮・非核化にある。

 岸田政権の軍拡増税方針も、物価高・生活苦、マイナトラブルでの支持率急落の前に容易に進まない。市民の不満と怒りを元凶である戦争路線に向ける時だ。

国際連帯で戦争阻む

 戦争を止めるのは市民の力だ。「朝鮮半島終戦平和キャンペーン」は停戦70年目となる7月27日に向けて世界300か所の行動を進めている。ZHAP(ZENKO辺野古反基地プロジェクト)は、1万筆を目標に二次署名を開始。新基地の断念と「台湾有事」を起こさせない世論を米国にも広げる運動を展開する。

 2023ZENKOin横須賀には、沖縄、米国、韓国、フィリピン、イラク、ミャンマー、インドなど世界で闘う市民が集う。国際連帯で東アジアの平和をつくり出そう。

(7月17日)
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