2023年08月04日 1783号

【議会を変える/市民の声をきちんと受け止めることのできる市議会へ/大阪狭山市議 小芝ひでとし】

 「4月の選挙の時、マイクで大きな声を出していた人たちはどうしているの?」。子どもの問いかけに、「じゃあ、ママが一度見てくるわ」と言って、一市民として初めて市議会へ要望書を出した女性。

 要望の内容は、次の通り。▽日本政府に対して核兵器禁止条約の署名・批准を求めてください▽大軍拡をストップさせ、憲法9条を活かした国づくりをめざしてください▽大阪にカジノを作らないでください▽子ども医療費の無償化を進めてください▽学校給食費の無償化を進めてください―いずれも一市民としての率直な要望です。

 ところがです。大阪狭山市議会は、多くの会派の反対により、これらの要望をことごとく不採択にしてしまったのです。

 賛成したのは、日本共産党議員団の2名と「ええまち狭山」の小芝の2会派3名だけでした。

 大阪維新の会をはじめとした5会派10名が反対し、不採択としたのでした。

 大阪狭山市は、「核兵器廃絶・平和都市宣言」をしています。にもかかわらず核兵器禁止条約の批准に反対するのです。

 さらにそれ以上に理解しがたいのは、学校給食費の無償化の要望に対する態度でした。

 6月1日市議会初日、市長は「2025年をめどに給食の完全無償化をめざし、今年度は昨年度より1か月増やし計3か月分を無償とする」ことを施政方針として述べたのです。(ちなみに昨年度は、国の地方創生臨時交付金を使った5か月分を含め、計7か月分が無償でした)

 反対した5会派は「市長がそういう方向を示しているのだから、この要望は採択する必要はなく不採択にする」として、市民の要望をしりぞけたのです。

 市民の要望を受け止め、市全体として学校給食費の無償化を進めていくことこそが、議会としての正しい判断ではなかったでしょうか。

 同様の理屈で「内容は良いが反対」として、子ども医療費の無償化や体育館へのエアコン設置の要望についても不採択とされました。

 市民の声に背を向けるのではなく、きちんと受け止めることのできる議会に変えていかなければならないと痛感させられた6月議会でした。

 議会内外での市民と連帯した取り組みを広げ、9月議会に臨みたいと決意しています。
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