2023年08月04日 1783号

【みるよむ(663)2023年7月15日配信/イラク社会変革の旗―2023年メーデー―】

 7月29〜30日のZENKOin横須賀には、イラク労働者共産党サミール・アディルさんが4年ぶりに来日し、アピールする。

 サナテレビ7月15日配信版は、そのイラクで5月1日に行われたメーデーを紹介している。バスラやバグダッドで、多数の労働者が非正規雇用の正規雇用化、賃上げ、社会保障、民族や性別による差別の撤廃などを要求してメーデーのデモに参加した。イラク労働組合総連盟やイラク労働者共産党が組織化したものだ。労働者たちは自らの要求を掲げてデモを展開した。デモのまとめの集会では指導者たちが労働者に訴えた。

 イラク労働者共産党のスブヒ・アルバドリさん(『労働者のこだま』紙編集長)は「労働運動は社会的、経済的、政治的現実を変えるために闘っている。労働者こそイラク社会を変えることのできる力だ」と確信をもって語りかけた。

 サジャド・アル・サーディさんはイラク労働者共産党の声明を読み上げ、「5月1日、国旗も、民族旗も、宗教旗も、愛国旗も没落し、1本の旗が立ち上がるだろう。それは労働者の旗であり、階級の旗である」とアピールした。民族や宗教、愛国心を利用した分断を許さない決意に満ちている。

労働者の闘いは共通

 イラク労働組合総連盟書記のインティサール・ユセフさんは、労働運動のこの間の要求=▽非正規雇用労働者の正規雇用化▽インフレ率比例した賃金と年金の引き上げ▽公正で公平な社会保障法の制定▽職場における暴力やハラスメントを禁止する法律の制定などを強く訴えた。

 イラクでも、グローバル資本と腐敗政府が石油価格上昇などによる利益を独占する一方、物価高や失業増が続く。これに対し労働者は権利獲得、差別撤廃の闘いを進めている。世界の労働者と共通の課題を闘うイラク労働者に連帯しよう。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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