2023年08月11日 1784号

【2023ZENKOin横須賀 国内外から900人/戦争・軍国主義に立ち向かう】

 2023ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)in横須賀が7月29〜30日に開催された。プレ企画を含め3日間でのべ900人が参加した。国内外ゲストの連帯あいさつを紹介する(まとめは編集部、関連記事3〜6面)。


大軍拡岸田政権と闘う政党・団体 MDS(民主主義的社会主義運動)委員長/佐藤和義さん

 岸田政権は大軍拡政権だ。最大の問題は琉球弧(南西諸島)のミサイル基地化である。沖縄の人びとは気づいている。自分たちを見捨て、沖縄に再び戦争の災厄をもたらすのが軍拡路線の本質なのだ、と。

 そして、大軍拡のために様々な切り捨てや負担増が行われている。社会保障、医療、介護保険…。政府税調は所得控除の縮小や課税拡大によって増収を図ろうとしている。反面、大企業や資本家に対する課税強化は行わない。こうしたデタラメさに多くの人びとは怒っている。実際、内閣支持率は下がる一方だ。

 しかし、統一地方選の結果に見られるように野党は伸びていない。大幅に議席を増やしたのは「第2自民党」である維新だ。野党共闘が事実上崩壊している中で、社会を変えていく展望はどこにあるのか。

 やはり戦争に対する態度が問われている。立憲民主党は「台湾有事」を煽られ、軍需産業支援法に賛成したが、軍拡路線を支持するようでは、自公、維新を含めた改憲勢力に勝てない。日米韓の軍事同盟に対抗し、突破していく力は、日米韓そして沖縄の民衆の連帯だ。その意義を今回のZENKOで確認したい。


社民党党首/福島みずほさん

 軍拡・大増税に暴走する岸田政権は、43兆円をかき集める貯金箱を予算に入れ、軍事産業国有化までやろうとしている。150兆円の官民機構を作り、斜陽産業の原発にお金をつぎ込む。経産省が延長を決める老朽原発を動かさず、原発を止めよう。大阪カジノ、万博に税金をつぎこむことも許してはならない。外国人の命を紙切れのように扱った入管法改悪。私たちの命も同じように扱われる。

 命と暮らしを立て直す政治を地べたからの民主主義で地道につくっていこう。国際連帯を広げ、東アジアに平和をつくっていこう。


日本共産党神奈川県議/井坂新哉さん

 横須賀には国政課題がたくさんある。一つは、原子力空母の海外で唯一の母港となっている米軍基地の存在だ。ヘリ空母「いずも」はF35が離発着できるように改修され、訓練は米軍と自衛隊が一緒にやる。一体で横須賀から海外で戦争する動きが強まっている。

 もう一つは、新しく石炭火力発電所が稼働した。猛暑の中、気候危機対策を進めるためにも、裁判を含め止めたい。あまり知られていないが、原発の核燃料棒を作っている工場がある。福島第一原発に持って行っていた。ストップ原発!

 現場を見ていただきたい。


市民の生活守るMDS地方議員 東京・足立区議/土屋のりこさん

 ZENKOの皆さんから多くのご支援をいただき、189票増やして3期目の当選を果たすことができた。自民・共産が議席を減らし維新の会3名、都民ファースト、参政党が入った。維新は定例議会で地域の公共交通無料パス廃止を求めシルバー人材センターで働く高齢者を問題視、税金を弱者に使うのは無駄だとした。議会は危機的状況だ。私は維新の“公共”破壊と対決する決意を新たにしている。

 地域変革は、取り組んできた介護保険料の縮小、フードパントリー補助など、様々な施策の積み上げの中で実現できる。今、来年度予算への市民の要望を聞いている。子育て中のママの要求、障がい者福祉制度の狭間(はざま)≠ノ置かれた人への手当の創設、教育費の無償化など共に闘っていく。


滋賀・大津市議/中川てつやさん

 6月議会で初質問した。「地方独立行政法人市立大津市民病院で『お産』の再開及び新生児医療の継続」など3点。再質問・再々質問も行ない、問題点が浮かび上がった。市は「別法人の市民病院の判断」を隠れ蓑にしている。法律では、設立団体(大津市)が目標を決定して独法(市民病院)に示すことになっているにもかかわらずだ。

 また、「給食費の無償化を求める請願」など賛成討論を行なった。維新の会議員は教育費無償化が公約なのに、「財源がない」からと反対。意味不明な採決態度だ。まさに第2自民党だ。

 初当選議員12名の内、フル質問と討論も行なったのは私だけだ。無所属市民派議員として議会の火種になりたいと思う。


大阪狭山市議/小芝ひでとしさん

 ずっと夢洲(ゆめしま)カジノ誘致反対署名の運動を続けてきた。今年、腹をくくって市議選立候補を決意した。定数1減の14、立候補者も減り16名。

 40数年間大阪市の教員ながら、大阪狭山市に生まれて68年、ここで育ってきた。当選の力は、一貫したカジノ誘致反対の姿勢であり、それに共鳴してくれた多くの住民の力にほかならない。

 6月議会、夢洲カジノ誘致について市当局に質問した。答弁は、国や大阪府の動向を注視するという決まり文句。だが、市当局を追及する私の姿勢を示すことができたと思う。

 今後とも議会内にとどまらない市民運動を作り上げ、市民の声が届く議会に作り変えてみせる。


戦争・原発をとめる地域の闘い ヨコスカ平和船団船団長/鈴木茂樹さん

 横須賀には、目の前に米軍基地、自衛隊基地が並んでいます。1973年に空母の母港になりました。地元住民が大反対し、全国から仲間たちも集まり市内で大きな抗議行動を繰り広げましたが、結果的には母港を受け入れて、現在は原子力空母に代わっています。目の前に空母がある以上、反対運動をやめるわけにはいきません。

 空母を防衛するイージス巡洋艦も母港にしています。迎撃用のスタンダードミサイルが搭載されています。朝鮮が放つ火星18をどうやって撃ち落とすのか。そのために新型の「スタンダードミサイルSM3ブロックUB」を自衛隊が共同してつくろうとしています。

 そうしたことに反対を続けていきたいと思っています。私たちの運動は自由を求めています。自分が自由であるためには、人の自由を認める。そのことを運動の思いにしています。


福島原発かながわ訴訟原告団長/村田弘さん

 福島原発事故から12年半。いま世間では復旧がかなり進んでいると受け止められていると思うが、今でも3〜4万人が全国で避難生活を送っている。

 政府は、この夏に汚染水の海洋放出を開始し、GX法案を強引に通して老朽原発も復活させ、新しい原発も造るという方針を進めている。私たちは被害者としての実感を基に司法がストップをかけてほしいと10年間闘ってきたが、昨年6月に最高裁は原発事故に「国の責任はない」というとんでもない判決を出した。私たちは、今年の暮れから来年にかけて出る10件くらいの高裁判決で昨年の最高裁判決を覆し、政府の原発政策を止めたい。

 原発だけではない。政府は南西諸島の軍事基地化を力で押し切ろうとしている。私たちも原発被害者として、この動きを止める一翼を担いたいと思っているので、共に歩んでほしい。

MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS