2023年08月11日 1784号

【2023ZENKOin横須賀 国内外から900人/戦争・原発をとめる地域の闘い】

ヨコスカ平和船団船団長/鈴木茂樹さん

 横須賀には、目の前に米軍基地、自衛隊基地が並んでいます。1973年に空母の母港になりました。地元住民が大反対し、全国から仲間たちも集まり市内で大きな抗議行動を繰り広げましたが、結果的には母港を受け入れて、現在は原子力空母に代わっています。目の前に空母がある以上、反対運動をやめるわけにはいきません。

 空母を防衛するイージス巡洋艦も母港にしています。迎撃用のスタンダードミサイルが搭載されています。朝鮮が放つ火星18をどうやって撃ち落とすのか。そのために新型の「スタンダードミサイルSM3ブロックUB」を自衛隊が共同してつくろうとしています。

 そうしたことに反対を続けていきたいと思っています。私たちの運動は自由を求めています。自分が自由であるためには、人の自由を認める。そのことを運動の思いにしています。


福島原発かながわ訴訟原告団長/村田弘さん

 福島原発事故から12年半。いま世間では復旧がかなり進んでいると受け止められていると思うが、今でも3〜4万人が全国で避難生活を送っている。

 政府は、この夏に汚染水の海洋放出を開始し、GX法案を強引に通して老朽原発も復活させ、新しい原発も造るという方針を進めている。私たちは被害者としての実感を基に司法がストップをかけてほしいと10年間闘ってきたが、昨年6月に最高裁は原発事故に「国の責任はない」というとんでもない判決を出した。私たちは、今年の暮れから来年にかけて出る10件くらいの高裁判決で昨年の最高裁判決を覆し、政府の原発政策を止めたい。

 原発だけではない。政府は南西諸島の軍事基地化を力で押し切ろうとしている。私たちも原発被害者として、この動きを止める一翼を担いたいと思っているので、共に歩んでほしい。


日本の税金がインドの環境を破壊する/インド・環境保護委員会/ クリシュナカントさん

 私は「世界は一つの家族である」と説く国の出身であり、ガンジーの弟子であるビノーバ・バーベは「地球規模で考え、地域で行動する」とした。今日「デリー・ムンバイ間産業大動脈」との名で日本が提案した計画の一部である高速鉄道事業は、農民・部族・労働者等が反対している。かつて私の出身地であるグジャラート州では、原発の建設を阻止した。合弁会社のひとつは日立だ。地球は有限だが、資本主義モデルは無限の欲求により、修復不可能なほど自然を搾取する。

 私は次の問いを投げかけたい。インドでの環境破壊による悪影響を日本は免れられるか。日本の税金はインドでの反対意見をかき消し企業利益のために使われるのか。インド農村の生活・文化の荒廃は、日本や人類の利益追求につながるか。日本、JICA(国際協力機構)は自らのガイドラインを真摯(しんし)に実行しているか。




軍事クーデターを「支援」する日本政府/ビルマ民主化活動家/ティンウィンさん

 私はビルマ民主化運動のリーダーの一人です。日本に逃れてきたのは1996年。政治亡命のビルマ国籍者として、初めて「難民」認定されました。

 総選挙の結果を踏みにじった軍事クーデター(2021年2月)以降、ビルマは恐怖の場と化し、人命への被害は甚大です。経済も壊滅的な打撃を受けました。この悪質な「クーデター軍政」に日本政府は軟弱な方針を示し、「支援」していると疑われています。

 2021年5月、民主主義の新国家建設をめざす文民政府である国民統一政府(NUG)が創設されました。人権がなければ民主的な国を築くことはできません。民主的な価値観なくして平和は生まれません。NUGへの支援、ビルマ民衆への連帯をお願いします。

(ティンウィンさんは軍事政権による「ミャンマー」への一方的国名変更を認めていない)


米軍駐留拡大に抗議 戦争と貧困に反対/フィリピン マパラドカ(戦争と貧困に反対する親と子の運動)/ ポール・ガランさん

 フィリピンのマルコス大統領は、新たに4か所の米軍基地の使用を承認しました。中国がフィリピン西海のフィリピン領土を中国のものと主張し、脅威が生じる緊張のさなか、米軍の駐留が承認されたのです。平和活動家や進歩的団体は、暴力的な弾圧の中でもこの駐留に抗議を続けています。

 私たちは今、地域のさまざまな団体とともに「マラボン市子どもと家族のための平和都市条例」制定を求めています。今年35周年を迎えるアバカダ(貧困地域の就学前教育施設)の卒業生には、多くの教師や最近では弁護士になったものもいます。そのアバカダの施設を改修する必要があります。私たちを支えてください。

 戦争と貧困に反対する国際連帯万歳!

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