2023年08月11日 1784号

【イラク労働者共産党 サミール・アディルさん】

 グローバル帝国主義の両極間の闘争は激化し、いまや戦争の恐怖にさらされていない地域など世界のどこにもない。米ソ冷戦時代でさえ外交交渉が優先されたが、今は軍事力による攻撃が世界紛争を解決する手段となってしまった。

 ウクライナ戦争もそうだ。米国、欧州、中国、ロシアの間で覇権を奪い合う資本主義世界の政治、経済システムを多極化する出来事の一つなのだ。それが、エネルギー・食料の高騰、インフレの拡大をもたらし、世界に貧困と窮乏をもたらした。代償を払うのは労働者階級であり、社会的弱者であり、人類なのだ。

 だが、それと闘うべき左翼の間には、米国・NATO(北大西洋条約機構)に対抗するとしてロシアに加担するもの、ウクライナの主権・独立を守れと間接的に米国に加担するもの、対立の渦の中にいるものという混乱がある。

 われわれは「プーチン反対、バイデン反対」と具体的なスローガンを掲げ、戦争、軍国主義に立ち向かい、反対しなければならない。

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