2023年08月11日 1784号

【2023ZENKOin横須賀/戦争・軍国主義に反対をかかげよう】

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は7月29〜30日に神奈川県横須賀市で2023年集会を開催。28日プレ企画とオンライン参加をあわせのべ約900人が集い、今後1年間の運動方針を決議した(重点方針別掲)。今年のスローガンは「STOP!戦争・貧困・原発 誰もが人らしく生きられる社会を!国際連帯で東アジアの平和をつくる」。ゲストの発言(別掲)やさまざまな分野の運動報告がこのスローガンの内容をよく表していた。

 戦争と軍国主義が全世界を覆っている。そんな時代にしたのはグローバル資本主義であることを、イラク労働者共産党サミール・アディルさん、DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)ジェラルド・ダルボンさんが指摘した。ロシアのウクライナ侵略を非難し、米国をはじめとするウクライナ軍事支援にも反対し、即時停戦させることが世界の反戦運動を一つにする重要な点だと強調した。

 日本での軍拡反対の闘いは、沖縄への連帯からそれぞれの地域での闘いへと広がっている。沖縄・市民連絡会の上間芳子さんは、沖縄を二度と戦場にさせないための大集会を11月23日に行うと紹介。ZENKOも参加方針を決めた。京都からは米軍Xバンドレーダー基地撤去の闘いや自衛隊基地強靭化の情報公開への取り組みが報告された。

 日米軍事一体化を実感させたのは、28日のフィールドワークだった。長年、反戦活動を続けるヨコスカ平和船団の鈴木茂樹さんが在日米海軍司令部と自衛隊艦隊司令部がある横須賀港を案内。日米のイージス艦が同じ湾に浮かぶ姿は象徴的だ。米原子力空母の唯一の海外母港でもある。

 日米韓をはじめ、軍事同盟が強化されている。それに対抗するには、日米韓の市民レベルの交流、連帯が必要だ。東アジアの平和をつくる国際連帯が一層重要であることが強調された。

 戦争が起きていなくても、軍国主義は人びとが必要とする社会保障を切り下げ、人命を軽んじる。韓国の対案文化連帯ユ・ミヒさんは、70年間いまだ終戦協定が結ばれない朝鮮戦争を終わらすことができれば、韓国市民の生活は大きく変わると語った。敵対・分断の芽を摘むことができるからだ。

 誰もが人らしく生きられる社会を実現するための闘いは16の分科会に分かれ交流し、決議を上げた。教育や社会保障の拡充、労働者の権利擁護から原発事故被害賠償など、いずれも資本主義の利潤追求がもたらした害悪に対抗する闘いだ。

 平和を脅かし、民主主義を踏みつける資本主義の支配システムを根本から変革することが問われている。イラクでも米国でも社会主義を支持する若者が増えているという。日本でもZENKOに持ち寄られた闘いが一つ一つ勝利していくことが、民主主義的社会主義実現の力になるだろう。

(2〜6面に関連記事)

2023ZENKO重点方針

 ▽ウクライナ戦争即時停戦、ロシア軍撤退を実現。世界共同行動へ▽軍拡、9条改憲、緊急事態条項創設に反対し、岸田退陣署名を▽沖縄現地連帯訪問、ZHAP二次署名を▽大阪カジノの実施協定締結をゆるさず、維新政治の転換を▽「朝鮮半島終戦平和キャンペーン」署名を▽団結まつりを10月29日、東京、大阪で開催▽12月、スピーキングツアーを全国で▽日韓ユース平和参加団を2024年開催

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