2023年08月18日 1785号

【国際連帯を強め、埋め立て中止 辺野古・大浦湾を海洋保護区に ZENKO SDCC分科会】

 今秋にも,最高裁判所が玉城デニー沖縄県知事の「辺野古埋め立て設計変更不承認」を取り消す「行政不服審査法」による国土交通大臣判断を認める判断を出す見通しを言われます。この情勢のもと7月30日、ZENKOin横須賀のSDCC(ジュゴン保護キャンペーンセンター)分科会では、埋め立て中止への展望を話し合いました。

 SDCC共同代表の海勢頭(うみせど)豊さんは「ジュゴン信仰による琉球の絶対平和主義が今ほど大切な時はない。軍事に軍事で対抗しても平和はない。今こそ天皇制国家による武力信仰の嘘に国民が気づくとき。SDCCの役割は大きい」と、参加者を激励されました。

 基調は、最高裁が国土交通大臣の「不承認処分取り消し」を確定しても、大浦湾の埋め立ては実施できないと強調。沖縄県は「不承認処分を取り消しても、変更申請中の状態に戻るだけで、依然として埋め立て事業を適法に出来ず(別の理由での)申請拒否処分もありうる」と明言しています。全国56万筆の埋め立て断念を求める国会請願署名などの運動よって県は毅然とした立場を強めています。

 玉城デニー知事の3月訪米時には、オカシオコルテス下院議員との面談も実現。昨年9月に行った連邦議員らへの書簡送付の成果です。米政府が軟弱地盤問題による設計変更を了解していないことも明らかになりました。生物多様性の保全は国際的コンセンサス。辺野古・大浦湾の埋め立てはこれに逆行するものです。昨年7月久志沿岸で見つかった糞がジュゴンの糞であることもDNA鑑定で明らかに。技術的にも環境保全上も大きな壁にぶつかり、国際的に孤立しているのは日本政府です。「Hope Spot(希望の海)」を海洋保護区にする世論を広げれば、埋め立て中止は可能です。

やんばるを真の世界遺産に

 国際担当の吉川秀樹さんは、辺野古・大浦湾を守る取り組みに加え、やんばるの森を守る国際的取り組みを話しました。7月26日、日米政府によって「環境補足協定」にのっとった、新たな拘束力を持つ文書が発表されました。これによって、北部演習場への日本の立ち入りが可能になりました。これを足掛かりに、軍事廃棄物撤去と演習中止を日米両政府にせまる運動を強め、やんばるを真の世界遺産にしていきましょう。

 6月22日「月桃」歌碑一周年と23日「慰霊の日」、その後の石垣島(「いのちと暮らしを守るオバーたちの会」)訪問・交流の報告がありました。

 今後、生物多様性締約国会議COP16、9月ユネスコ世界自然遺産委員会総会へキャンペーンを強めます。

(SDCC・松島洋介)

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