2023年09月01日 1786号

【フィリピンと結び交流 子どもたちに教育を栄養を 行政に求める平和都市条例 ZENKO AKAY分科会】

 7月30日に行われた2023ZENKOのAKAY(フィリピンAKAYプロジェクトをともに創る会)分科会は、アバカダ(マニラ郊外貧困地域の就学前教育施設)スタッフ7名と神奈川・横須賀会場をオンラインで結び計26名の参加で意義深いものとなりました。

 日本、フィリピン政府が大軍拡に突き進む中、マパラドカ(戦争と貧困に反対する親子の運動)が提案する「マラボン市 子どもと家族のための平和都市条例」策定の取り組みは、地域の命と暮らしを守る♀動への大きな刺激でした。

 分科会1部で、アバカダのスタッフが行政への要求を明確に発信しました。エステリータ先生は「公私立学校や園への運営助成と先生たちの賃金保障」、給食担当のアミーさんとジョアナさんは「給食活動への財政支援」、縫製事業担当のレイアさんは「生計自立のための職業訓練センター設立」を、実践に基づき訴え。マパラドカ議長ポールさんが、住民の要求「強制転居を余儀なくされた住民の市内での住宅保証」「保健センター病院の設立」「公園スポーツ施設の設立」を加え運動の手順を語りました。

 10月、地域の市民団体・教会・ロータリークラブとともに平和フォーラムを開催し、条例要請内容を確認して成立に向けた作業委員会を立ち上げます。来年5月には拡大した平和フォーラムを開き、条例内容を5人のマラボン市の議員に提出する予定とのことです。

9月 アバカダは35周年

 9月で創立から35周年を迎えるアバカダは、一貫して「軍事ではなく子どもたちに教育を栄養を」とスタッフや保護者に訴え、定期的な学習の場を設け担い手を育成してきました。徹底して当事者の要求をベースにし、教育の場、地域の健康センターの場(昨年度高齢者白内障健診や妊婦さんセミナー実施)作りを担い、それをモデルに行政に要請しようとしていることは貴重な学びとなりました。

 2部では、日本側の青年らの「給食運営」「オンライン授業」についての質問に「子どもが学べない現状」「アバカダの給食運営が子どもたちの栄養向上につながる工夫」が説明されました。関東子ども全国交歓会が参加した「平和祭り」や大学生が沖縄で戦争の歴史を学ぶ姿を交流。コロナ禍で乳幼児の成長に影響が出ている現状も報告しました。

 国際連帯で地道な地域変革を実感できたAKAY分科会。次回は地域の取り組みと是非リンクさせたいと思います。アバカダ35周年に贈る記念バナーの平和メッセージを集めています。ご協力ください。

(AKAY・古武家育子)



MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS