2023年09月15日 1788号

【DSAが初めて見た基地の島・沖縄(番外編)/―ジェラルド・ダルボンさんに聞く(1)―/“沖縄の実態はアメリカには伝わっていない”】

 初めて沖縄現地を訪れたDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)のジェラルド・ダルボンさん。ZHAP(ZENKO辺野古反基地プロジェクト)をさらに進めようと意欲を見せる。決意のほどを聞いた。(7月27日。まとめは編集部)


沖縄の実相に触れて

 基地の島・沖縄の現実を知ってもらおうと、ZHAP事務局で論議を積み重ねた。沖縄県知事公室訪問、米兵による暴行事件の聞き取り、普天間・嘉手納両基地の現状視察、辺野古新基地建設反対行動への参加、有害物質PFAS(ピーファス)汚染除去運動の情報共有など、わずか2日間の厳しい行程もかかわらず現地の協力が得られた。

Q 沖縄≠どのように感じましたか?

 沖縄の人びとがあきらめることなく抵抗を続けてこられたことに深く感銘を受けました。辺野古での座り込みが、3308日も続いているなんて、すごいことです。

 普天間と嘉手納基地の全景を実際に見ました。沖縄を車で縦断したときも、その規模の大きさ、まるで基地が次から次へと並んでいるようでした。辺野古だけでなく、沖縄全体で、基地に対する抵抗が組織的に行なわれていることは、本当に素晴らしいことです。

Q 沖縄の人びとに伝えたいことは?

 アメリカ市民は、みなさんの闘いについて知っており、基地に対する抵抗、闘いを支持しています。特にアメリカが中国に対する軍国主義を強化しようとしている現在、これまでと変わらずに抵抗を組織され続けることを願っています。

 沖縄、韓国、フィリピンなど、アメリカの軍国主義に対して闘っている人びとが、同じ思いでつながっていくことが、今まで以上に重要だと思います。

 ―ダルボンさんは沖縄の実相を心に刻みつけた。帰国後、どんな行動を考えているのだろうか。

帰国後の新たなプランは

 DSAは、米連邦議会議員や地方議員に、辺野古新基地建設反対を訴える活動を展開。3月には、玉城デニー沖縄県知事とアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員(AOC)の面談を実現させた。

 AOCは、米軍基地由来のPFAS汚染を問題とし、6月末に国防権限法(NDAA)への修正案を提出した。修正案は残念ながら否決された。

Q ZHAPのこれからの展開をどう考えていますか?

 沖縄での軍事占領が、人びとの生活をこれほど侵しているとは、アメリカの人びとにはまだまだ伝わっていないと思います。

 この問題に取り組んできた私自身、実際にこれほど大きな影響を与えているのか、今回の訪問でようやくはっきりと判りました。だから、アメリカの人びとに実際の状況をどう伝えていけばよいのかを考えていくことが重要だと思います。

 議会に働きかけ、政治的反対派を得る試みも重要です。この問題に公然と反対し、運動を支援してくれる可能性のある他の議員への要請も考えています。

 AOCには、次の行動を起こしてもらえればと願っています。たとえば、現在、AOCはラテンアメリカ諸国との会議に出席しています。そこで彼女は、冷戦に反対し現在の戦争への動きに対抗するために、これまでと異なるアメリカの政策が必要だと語っていました。その展開を進めることが重要だと考えています。

 8月末にも、ラテンアメリカへ代表団が訪問予定です。その会合の場で、彼女は訪日経験を踏まえ「日本や沖縄の問題については、アメリカの外交政策が根本的に変わらなければならない」と主張しました。

 連邦議会には、現在の政策に反対しようとしているグループが存在しています。彼らをどのように支援し、公然と反対できるようにするかが重要。これがとても重要なことです。

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 ダルボンさんは、ZHAP運動をさらに大きく展開する決意を固めていた。(続)

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