2023年09月22日 1789号

【1789号主張 最高裁判決に屈しない沖縄 戦場にさせない闘いに連帯】

最高裁不当判決に反撃

 辺野古新基地建設をめぐる裁判で、最高裁は8月24日に続き9月4日も沖縄県の訴えを退けた。2つの裁判とも実質審議もせず門前払いで、沖縄の民意と民主主義を否定する不当判決だ。

 にもかかわらず、政府、マスコミは最高裁判決に従い設計変更申請を「承認すべき」と玉城デニー県政に圧力をかけている。仮に「承認」となれば現在止まっている大浦湾側の工事が一気に進むことになる。辺野古新基地建設反対の闘いは正念場を迎えている。

 沖縄の市民は決してあきらめていない。翌9月5日、オール沖縄会議が呼びかけて県庁前で抗議集会が行われ、700人が声を上げた。12日にも県庁前緊急集会が行なわれた。玉城デニー知事は9月18日からの国連人権理事会(スイス)で演説し、辺野古の問題は人権、民主主義の問題≠ニ国際世論に訴える。

 判決があっても軟弱地盤、環境保護の問題が解消された訳では全くない。活断層や耐震基準など変更申請が認められない問題は山積みだ。玉城デニー知事を支え、承認せず、再度の「不承認」、埋め立て承認の「再撤回」を求めよう。

軍事化加速させる岸田

 岸田政権は、判決直後の9月8日には大浦湾側の護岸建設などの工事入札を公告した。沖縄県が承認しない場合、代執行訴訟に踏み切り、年内にも工事着工をもくろむ。また、辺野古とともに沖縄・琉球弧での自衛隊のミサイル基地建設を加速し、全国で自衛隊基地の強靭(きょうじん)化を行っている。

 石垣島では、民間ビーチに配備されていた地対空誘導弾PAC3を石垣駐屯地内に移し、配備の恒常化を狙う。石垣港には米軍艦が寄港するなど、軍事を日常に浸透させようとしている。

全世界からの連帯を

 もし、台湾有事”が引き起こされたら軍事要塞化された沖縄は戦争の最前線になるのでは、と危機感が広がっている。9月24日、「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」の設立・キックオフ集会が開催され、11月23日には県民大集会が全国に呼びかけられている。

 展望は現地の粘り強い闘いへの全国からの連帯と国際連帯にある。ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)の呼びかけるZHAP(ZENKO辺野古反基地プロジェクト)二次署名は、“台湾有事”を起こさせない沖縄民衆と連帯し、世界で5万筆を集め、米国政府と議会に戦争反対の声を届けようとしている。

 DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)国際委員会は、7月のジェラルド・ダルボンさん沖縄訪問報告を柱に、沖縄連帯のオンラインパネルを10月に準備している。戦争に抗(あらが)う沖縄現地の運動に全国、全世界から連帯し、岸田政権の戦争・軍拡路線をストップさせよう。

   (9月12日)
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