2023年09月22日 1789号

【みるよむ(666) 2023年8月26日配信 イラク平和テレビ局in Japan 賃金を支払え!―電気料金集金労働者の怒り】

 イラクの電力省で働く電気料金集金労働者は公務員だが、低賃金でしかも何か月も賃金遅配が続いている。労働者たちは正規雇用と賃金支払いを求めてデモとストライキで闘っている。2023年6月、サナテレビはこの闘いを取材した。

 首都バグダッドで、電気料金集金の労働者たちが多数集まり、政府に対して抗議デモを行っている。労働者らは、2019年10月のイラク市民蜂起で市民の怒りが高まる中、政府職員として雇用を勝ち取った。そのほとんどが大卒であり高学歴の労働者である。

 しかし、彼らは非正規雇用で労働条件は劣悪だ。国家公務員だが固定給ではない。他の官庁と違い、学歴は賃金水準に反映されない。残業代も、交通費も出ない。

 徴収した電気料金をきちんと政府に渡しているのに、受け取るのは1か月に200ドル(約2万9000円)、1日にすれば1000円に満たない。しかも、2か月にわたって賃金が未払いという。「電力料金徴収の現場では、暑さ、寒さ、雨などの厳しい気象条件や、一部の人びとから侮辱的な言葉を浴びせられ、追い出されたり殴られたりする」と困難が続出し、みな「疲労困憊」状態だ。

ストライキを宣言

 労働者たちは、政府省庁に対してデモで「我々に賃金を支給しろ。我々の賃金はどこに行ったのか?」と訴えた。「我々は正当な要求が満たされるまで、ストライキを宣言する」「我々は国会決議315号(契約労働者の正社員化)の適用範囲に入っている」「滞納されている賃金を支払え」と要求を書いた横断幕を掲げ、自らの権利を要求して政府に突き付けた。

 映像は労働者たちの怒りと闘う姿を伝える。

 腐敗したイラク政府の下で、電気料金集金労働者が声を上げ、正規雇用と賃金支払いを要求して立ち上がっている。イラク労働者と連帯しよう。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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