2023年09月29日 1790号

【1790号主張/軍事化 “有事”許すなと一体で/ウクライナ停戦国際行動へ】

停戦で人道危機止める

 ウクライナ戦争の人道危機が深刻だ。ロシア、ウクライナ両軍の死傷者は50万人近く、死者はそれぞれ最大12万人、7万人と推計される(8/18ニューヨークタイムズ)。ウクライナの民間人死傷者は2万7千人を超え、死者は1万人に迫る(9/11国連UNHCR)。クラスター爆弾や劣化ウラン弾も投入され、核兵器使用の威嚇まで行われている。

 人道危機を止めるため何よりも無条件の即時停戦が必要だ。しかし、ゼレンスキー政権は、ロシア軍の撤退などを停戦条件とする姿勢を崩さず、プーチン政権との交渉は不可能とする。プーチン政権は、攻撃を受けているときに停戦はできないと主張。南アフリカなど7か国の停戦と和平交渉の仲介は進まず、国連も「和平交渉の実現にはほど遠い」と難航を認める。

"台湾有事"阻止と一体

 背景には、米国・NATO(北大西洋条約機構)などの莫大な軍事支援がある。バイデン政権による軍事支援は累計432億ドル(約6兆4千億円)に及ぶ。岸田政権もドローン、自衛隊車両、NATO信託基金を通じた3千万ドル(約40億円)などの軍事支援に加え、さらなる武器輸出をもくろむ。戦争を激化、長期化させる軍事支援を即刻中止させなければならない。

 「ウクライナで成功を収めた」と言い放つ在沖海兵隊トップのビアマン中将は、戦争への準備を「舞台設定」と呼び、「この舞台設定を、日本、フィリピンなどで進めている」と日米合同で台湾有事≠準備していることを明言した(1/8英フィナンシャルタイムズ)。危険な戦争挑発の動きだ。

 今こそ世界の平和運動の力で即時停戦、軍事援助中止を実現し、有事¥備と大軍拡を阻止するときだ。

即時停戦国際共同行動へ

 6月のウィーン平和サミットが発信した国際共同行動週間(9/30〜10/8)へ世界で即時停戦の声が上がる。

 PEACE in UKRAINE(ウクライナに平和を)のウェブサイトには続々と行動予定が掲載され、協賛するDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)国際委員会も「多くの団体とともに停戦と交渉による解決を求める」と表明。英国ではストップ戦争連合が、最大労組の大会で、政府による軍事支援支持の動議を阻止するために奮闘した。動議は可決されたが、多くの反対を組織し、「停戦と交渉を求め続ける」と宣言した。

 日本でもZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が両国政府に即時停戦と和平交渉、反戦活動家の弾圧中止を求めるファクス行動を呼びかけ、9月30日東京・大森街頭アクションから各地でデモ(9/30京都、10/1大阪、10/7滋賀、10/8兵庫)や行動を展開する。全国で即時停戦、台湾有事=\戦争準備許すなの声を強めよう。

   (9月17日)
MDSホームページに戻る   週刊MDSトップに戻る
Copyright Weekly MDS