2023年09月29日 1790号

【「国に責任あり」いわき市民訴訟最高裁行動 不当判決正そうと全国からも】

 「国に責任なし」とした原発賠償集団訴訟の6・17最高裁不当判決を正そうと9月15日、ノーモア・フクシマいわき市民訴訟原告団・弁護団の呼びかけで最高裁要請行動がもたれた。全国各地の訴訟団・支援者ら約40人が最高裁前に集まり、この日まで集めた2300を超える「公正判決団体署名」を提出した。

 同訴訟は3月10日、仙台高裁が地裁判決を覆す国に責任なしの不当判決を行い、東京電力には地裁判決の約2億円を上回る計3億2660万円の支払いを命じていた。東電は上告を断念し不十分ながら福島復興本社・小早川智明社長名で原告に対し謝罪文を提出した。

 年末にかけて愛知・岐阜訴訟、千葉2陣訴訟、東京訴訟の控訴審判決が続き、来年最高裁判決が予想される中、国の責任を明確にした控訴審勝利判決の積み上げとともに、先行する同訴訟の最高裁審理をしっかり行わせようと取り組まれた。

 原告団長の伊東達也さんは「仙台高裁は、国が規制権限を行使していれば重大事故が起きなかった可能性は高かったとしながらも、対策しても防げるとは断言できないと、矛盾した論理で国の責任を否定した。裁判官、法律事務所の『癒着』が6・17判決を踏襲する重大な動きとなっている」と司法を巡る仕組みの危うさを批判。「不当判決の裁判官2名がいる最高裁第2小法廷は何とか回避したかったが、幸い第3小法廷係属に決定した」と報告した。

 全国訴訟団からは神奈川、千葉、東京をはじめ、福島や愛知・岐阜、京都、大阪などからも代表が駆けつけ、連帯して闘う決意を述べた。

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