2023年09月29日 1790号

【核(Nukes)も化石(Fossils)もNO 公正な社会へ/8000人が気候危機・原発を脱し人権侵害から救え】

 「ワタシのミライ NO NUKES(核)& NO FOSSILS(化石)〜再エネ100%と公正な社会を目指して」と銘打ち9月18日、東京・代々木公園でトークイベントと音楽ライブが開催された。それに続き、10代から20代の若者を中心に渋谷周辺をパレード。「私の未来に原発必要ない/火力はいらない/再エネ100%」と18歳と17歳がコールを先導した。

 「ワタシのミライ」「Fridays For Future Tokyo(FFFT)」「さようなら原発1000万人アクション」の3団体共催で、のべ8000人が集った。

危険な汚染水止めろ

 テーマトークでは若者とベテランが檀上に並ぶ。

 鎌田慧さん(さようなら原発)は「汚染水放出や老朽原発再稼働は、われわれを侮辱している」と怒りを露わにする。小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所)も汚染水について「トリチウムはどんな処理をしてもとれない」と危険性を強調し、陸上保管など他の方策を放棄した政府を批判。武藤類子さん(福島原発告訴団団長)は放出前日に海上に行った。「青い海のかなたには、流される側の人たちがいる」とマーシャル諸島など太平洋の人びとの人権に思いを馳(は)せる。

命 人権の問題だ

 FFFTの川崎彩子さんは「若い世代のほうが原発容認の声が多い」と分析し、気候危機について「化石燃料などのエネルギー問題として論じられることが多いが、原発事故で家を失った人がいるように、気候災害で住んでいた環境を追われる気候難民が世界中で増えている。紛争難民より多いというデータも。命、人権の問題としてとらえ、声を上げていきたい」と語る。

 20歳の大学生加藤美和さん(仮放免高校生奨学金プロジェクト)は「人権より経済優先の考え方があるから、外国人を人材≠ニしか見ていない」と外国人労働者の人権無視を断罪する。

 ワタシのミライ事務局の山本大貴さんも20歳。「私は再エネ100%を訴える。十分実現可能。再エネへのアプローチは、人権、原発、気候危機などの問題の解決策になると、今日ここにいる皆さんで共有したい」とイベントの意義を訴えた。

 さこうもみ武蔵野市議は気候危機対策について「自治体も電気代高騰が財政に大きく影響。対策として建物の断熱がよく挙がる」。保坂展人世田谷区長も駆けつけ、「学校は屋上の熱で暑くエアコンも効きにくい。そこで天井に断熱材を張る」と同様の対策を語った。さらに河川の氾濫を防ぐために「一時的に貯める、時間差で流す、地下に水が循環」などを例にグリーンインフラ≠提唱した。





大阪でも’23関西集会

 「もし六ヶ所村の再処理工場が稼働すればALPS(アルプス)(多核種除去設備)汚染水の440倍のトリチウムが排出されることになる」。大阪でも「原発・核燃からの撤退を! 巨大地震が来る前に '23関西集会」が開かれ、時代遅れの岸田GXなどについて学習した(9月18日、写真提供はZENKO関電前プロジェクト)。

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