2023年10月06日 1791号

【1791号主張 命・くらし無視の維新、岸田は退場 カジノも万博もいらない】

いきづまる万博・カジノ

 2025年4月に大阪市・夢洲(ゆめしま)で開幕予定の大阪・関西万博は、命と安全が守られず膨大な負担を市民に押しつけるものだ。万博と一体で進められる大阪IR(統合型リゾート)カジノもろとも中止しかない。

 「万博の華」とされるパビリオンの建設は一向に進まず、必要な仮設建築物許可申請をした国はチェコ1国のみ。会場建設費も当初の1・8倍の2300億円に増大し、世論の支持も全くない。さらに、万博協会は、来年度から始まる建設業界への時間外労働年360時間の上限規制を万博関連の工事に適用しないよう政府に要請した。労働者を犠牲にする突貫工事は、万博テーマ「いのち輝く」どころか「いのち削る」ものだ。許してはならない。

 9月22日、政府は大阪府とカジノ事業者が結ぶ実施協定案を認可した。最大の問題点は、26年9月末までの「事業解除権」を事業者に付与したことだ。夢洲の液状化や地盤沈下などの土地にかかる不都合はすべて解除理由になる。事業者の言いなりの不利益条項を盛り込んだのは、事業者をつなぎとめたい維新大阪府・市政の焦りの現れだ。

資本のための大規模開発

 そもそも、万博とカジノは、日本維新の会が一体のものとして誘致を提案した。維新の狙いは万博開催後の夢洲に建設するIRカジノにある。万博自体もインフラ整備に公費を注ぎ込む資本のための大規模開発だ。

 万博・IRカジノへの税金投入は青天井だ。夢洲の土地液状化対策、鉄道や道路整備費などを含む万博とカジノ関連のインフラ整備は、当初の約3400億円から約7950億円と膨れ上がっている。税金投入で商業用インフラ整備が保証されるIRカジノ業者や、大規模開発工事を請け負うゼネコンにとってこれほど好条件な事業はない。

 一方、維新府・市政の市民への説明会は、区域整備計画認定後に形ばかりの1回のみ。認定時の「地域との十分な双方向の対話」の条件は無視されたままだ。このまま、万博やIRカジノを進めさせてはならない。

維新 岸田倒し政策転換

 資本のもうけのための万博・カジノを唯一の成長戦略≠ノ位置づける維新政治を断ち切ることは、大阪だけでなく全国の課題だ。それは大規模開発推進の岸田政権への痛打ともなる。

 カジノも万博もいらない。命・くらしが先だ。維新と事業者最優先、青天井の税金投入のカジノ実施協定撤回/カジノと大規模開発ありき、命・安全無視し莫大な税金使う万博は中止≠フ声を地域から広げよう。

 「夢洲カジノを止める大阪府民の会」が10月8日に開く「夢洲IR・カジノ公聴会」を成功させよう。万博・カジノを止め、カネより命・暮らし優先の政策へ転換させよう。

   (9月25日)
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