2023年10月06日 1791号

【地域から 沖縄・琉球弧軍事化阻止 ウクライナ即時停戦実現へ】

『沖縄、再び戦場へ』2回目の上映会 楚南有香子さんが宮古島の思いを語る 北海道・札幌市

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)北海道は、今年3月に続き2度目となる『沖縄、再び戦場(いくさば)へ(仮)』(三上智恵監督)の上映会を札幌市内で開催。軍事化が進む宮古島の楚南有香子さん(「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」共同代表)とオンラインで結び、現地の思いを語ってもらった。

 宮古島の自衛隊基地は今年2月、運用開始から4年を迎えた。記念行事でドンドンと大砲を打ちまくる自衛隊に楚南さんは驚かされた。「宮古島にこんなに軍用車両があったのかと思うほど多くの軍用車両が行き交った。だが本当に戦場になったときは、もっと多くの軍用車両が来ることになる、と気持ちが押しつぶされそうになる」

 同じように急速な軍事化が進む日本最西端の与那国島では、市長がメディア取材を拒否しているという信じがたい実態も明らかにされた。「ドンドン≠ニいう大砲の音は民主主義破壊の音だ」と楚南さん。

 報告後の意見交換では「一人ひとりが嫌なものには嫌だと声をあげ反対の意思を示し続けることが民主主義破壊を防ぐ方法だ」という意見が出された。楚南さんが「住民投票を提案したら、負けた時に責任をとれるのかと怒られた。でも反対の意思を示すことも大事。住民投票は1回だけというルールはなく、何度でもやったらいい」と応じる。

 うれしい報告もあった。『沖縄、再び戦場へ』の全国での上映会が千回を超えたのだ。「見る人みんながこれを自分事にしてほしい」という三上監督や楚南さんらの願いは一歩一歩、実現に近づいている。(ZENJKO北海道 地脇聖孝)


平和のための連続学習会/ウクライナ戦争停戦へ/伊勢崎賢治さんが講演/東京・日野市

 9月18日、東京・日野市内にてウクライナ戦争激化を危惧する市民が集った。約60名の参加者が参集し、盛況となった。主催は、ネット等で初めて知り合った10名ほどの多摩地域などの市民による連続学習団体。ロシア叩き一辺倒、NATO(北大西洋条約機構)諸国供与の武器で戦うウクライナ連帯%凾フ作られた「国内世論」に疑問を抱き続けてきた市民による緩やかなグループだ。月1回ほどの準備会、ラインを駆使した相互交信を重ねながら、第1回の講演会となった。

 アフガニスタンなどの国際紛争解決請負屋≠ニして知られる伊勢崎賢治さん(東京外国語大学名誉教授)の講演に、多くの参加者が引き込まれた。

 「ゼレンスキー政権側に疑問を抱くことになった契機は子ども兵士問題」。講演で強調された点の一つは、徴兵制や子ども兵士は一般市民を攻撃対象とする絶好の口実となり、市民の命を守ることを目的とした国際人道法から到底許されない、との指摘だ。また、「正義と平和は常に両立するか」と問いかけ、正義のテーマは停戦後に時間をかけて話し合いで解決すべき、と。

 直接は参戦できないNATOの内部矛盾の分析などにも言及。「休戦・停戦のない戦争はなかった」とし、国連やグローバルサウス諸国による仲介に期待を寄せるとともに、全く的を射ていない論理に終始する「野党」や「護憲団体」にも率直な批判を展開された。

 三多摩全交からは「停戦を訴える国際行動週間」へのアピールが行われた。

(三多摩全交 塚本秀男)

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