2023年10月13日 1792号

【原発京都訴訟控訴審 「事故は国の責任」と100人パレード】

 原発賠償京都訴訟控訴審第19回期日の9月26日、開廷前12時からアピール行動が始まった。大阪高裁前の公園に演台と宣伝カーが配置され、裁判所側の歩道には「国に責任あり」などのメッセージを書いたボードを持ち参加者が並ぶ。

 原告が次々に演台に上がり訴える。共同代表の萩原ゆきみさんは「避難直後は、東京以北に行って帰ってくると子どもたちが鼻血を出し、こわくて行けなくなった。10年以上会えていなかった福島にいる父親に会ったが認知症が進んでいた。原発事故さえなかったら、もっと親孝行ができたのに」と事故によって壊された生活の一端を語った。

 応援に駆け付けた福島の生業(なりわい)訴訟、だまっちゃおれん愛知岐阜訴訟、かながわ訴訟の原告たちは口々に「高裁で『国に責任あり』の判決をかちとり、不当判決を覆そう」と訴えた。

 コールしながら裁判所を一周するパレードに参加したのは100人余り。サックス演奏や手作りの鳴り物もあり、前回(6/6)以上ににぎやかなパレードとなった。

 法廷では、事故当時未成年だった原告が意見陳述。汚染水の海洋放出や甲状腺がんの多発、1号機ペデスタル(圧力容器の土台)の腐食など福島の現状をあげ、最高裁不当判決に追随せずに判決を出すよう求めた。

 次回期日12月12日に原告4人の本人尋問を行うことが決まったが、東京電力の代理人は「想定外でした」と不満をもらした。

 閉廷後の報告集会では、支援する会の奥森祥陽事務局長が「原告団は普段顔を見せていない原告にも参加を呼びかけ、支援者は裁判所を埋め尽くし、本人尋問を盛り上げよう」と呼びかけた。

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