2023年10月20日 1793号

【1793号主張/辺野古 代執行訴訟こそ無法の極み 沖縄に連帯し大軍拡止めよう】

工事強行ありき

 辺野古新基地建設をめぐって斉藤鉄夫国土交通大臣は10月5日、軟弱地盤改良工事の設計変更を玉城デニー知事に代わって承認する「代執行」を求める訴訟を福岡高裁那覇支部に起こした。国が「勝訴」すれば、承認を拒む沖縄県に代わり自ら「承認」する。

 政府は、一連の手続きを法に則(のっと)っていると主張する。だが、行政不服審査法に基づく審査を私人になりすまして請求し自分で自分の請求を認めたのに続き、今度は自ら進める工事の承認までやらせろと迫る。工事強行ありきの無法行為だ。

 県が承認を拒むのは、県民投票で7割が反対意思を示した民意があるからだ。民主主義政治では、民意こそ何より優先すべきものだ。しかも沖縄でその民意が示されたのは一度や二度ではない。自公政権が好んで使う「法の支配」の本来の意味は、主権者である市民の意思に沿うように法を作り運用することにある。

戦争させない闘いに連帯

 軍事費2倍化政策と連動して急速に進む琉球弧の基地拡大強化。アジア太平洋戦争末期の沖縄戦に続いて再び戦場(いくさば)にされようとしている県民はその生存を賭けて反撃している。

 9月24日、「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」設立・キックオフ集会で800人が声を上げた。代執行提訴直後の10月7日、半年ぶりの辺野古ゲート前県民大行動には900人が参加した。民主主義も自治も破壊する政府の暴挙への怒りとデニー知事を支える決意を市民が表明した。

 琉球弧軍事化の実態を暴く『沖縄、再び戦場へ』自主上映会は全国で千回を超えた。直近の上映会で具志堅隆松さん(県民の会共同代表)は「『台湾有事』で米軍が沖縄から出撃すると沖縄が攻撃される。避難シェルターを作ることが周辺国に誤ったサインを出している」と軍事化を批判し、ともに闘うことを訴える。

 国際的な闘いも広がる。ZHAP(ZENKO辺野古反基地プロジェクト)運動は、DSA(アメリカ民主主義的社会主義者)との国際連帯で平和を築く行動に取り組んでいる。

 軍事基地建設という巨大な国策に抗(あらが)うには沖縄の力だけでは足りない。県民のみならず全国、さらに全世界からの連帯が必要だ。

団結まつり 県民大集会

 岸田政権の不支持率が50%を超える状態が続く。歴代政権と比べ「際だって高い不支持」にメディアも注目する(10/4朝日)。岸田に市民の支持はない。闘いで戦争政策を止める時だ。

 10・22、29の団結まつりには、22日大阪に山城博治さん(県民の会事務局長)、29日東京に具志堅さんが参加する。11月23日は沖縄県民大集会だ。連帯を強め、沖縄―全国の軍事化を阻み、対話で東アジアの平和を作り出そう。

   (10月9日)
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