2023年10月20日 1793号

【「議会を変える」 滋賀県大津市議 中川てつや 政治倫理審査会を請求 見て見ぬふりは許されない】

 大津市議会は、今8月議会が終盤を迎えています。その中で、私は、共産党市議団と他の1人会派とともに大津市議会議員政治倫理条例に基づき、政治倫理審査会の開催を請求しました。

 政治団体の届けのない市議会自民党系最大会派が、8月下旬に会費1万円で370名を集め市内のホテルで、大津市長を招き「市民と語る会」を開催しました。この会は、市政報告と懇親会だとされていますが、収支を伴う政治活動であるとして、政治資金規正法違反(無届け政治団体の収支事業開催)の疑いで9月14日付で大学教授から刑事告発されています。

 こうした事態を受け、市議会では9月21日に各派代表者会議が開催されましたが、当該会派からは新聞報道以上の説明はなく「新聞報道に疑義がある」との表明がありました。また、質問にも「司法が判断することであり質問に答える必要はない」と拒否し、収支についても「会計はホテルにお願いし個人がホテルに支払っている。会派はお金に一切触れておらず内容はわからない」旨の説明でした。

 この件は、多くの問題があります。第一に質問を拒否したため内容が不明のままであり、このままでは、政治倫理に関わる問題を市議会として何もせず見て見ぬふりをすることになります。刑事責任と政治責任は別で、市民から負託を受けた議員は市民に対して説明責任があります。頬被りすることは許せません。

 第二に、主催者は当該会派であるのに、収支はホテルに委任したから問題ないというのは、「安倍晋三後援会」主催の「桜を見る会前夜祭」の手口をまねたもので到底通用しない論理です。

 私を含めた請求議員有志は、刑事告発されたことを理由に市議会がことを荒立てず沈静化をはかっていくのは市民の負託を受けた市会議員としておかしい、との思いで審査請求したものです。表だって異議を唱えない他会派への問題提起でもあります。議員は市民の負託を受けて市議会に議席を持つ市民です。市民がおかしいと思うことを代弁せずして「市民自治」は成り立ちません。市民の立場に立つ議会へと取り組みを進めます。

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