2023年10月20日 1793号

【カジノ実施協定締結にNO/大阪府民主催公聴会に500人/追い込まれたのは維新府政だ】

 10月8日、大阪市で「府民主催―夢洲(ゆめしま)IR・カジノ公聴会〜政府と大阪府市、大阪府民による『双方向の対話の場』〜」が「夢洲カジノを止める大阪府民の会」のよびかけで開催され、予備の椅子を次々と追加する大盛況で会場は満杯、500人以上が参加した。

 山川よしやす府民の会事務局長が「事業者言うままの『解除権』を含む実施協定(契約)締結は、国と大阪府市が追い込まれたもの。認定条件『双方向の対話』の府民公聴会への出席を国やIR推進局に何度も要請したのに拒否されたが、それも弱さの表れだ。この公聴会を新たな運動のスタートに」と明るく呼びかけた。

カジノより命だ 教育だ

 公述人の藤永のぶよ・おおさか大阪市民ネットワーク代表は夢洲の豆腐¥軟弱地盤、土壌汚染を示し「万博もカジノも止めよう」。桜田照雄・阪南大学教授は「カジノ誘致で一番得をするのがあらゆる事業を展開するオリックだ」と指摘。

 府市政に真に問われる課題は何か。決してカジノではないことを府民の公述が明らかにする。「教育にかかる経済負担が家庭にも学校現場にも重くのしかかっている。莫大な予算は、カジノではなく、未来をつくる子どもたちの教育へ回してほしい」(学校関係者)「仏教の立場からも、ギャンブル=賭博におぼれることは自他に災難を引き起こし、許されない」(僧侶)「府庁前で行動した時、視覚障がい者のための点字パネルがめくれ上がっているのを見た。人を不幸にするカジノは絶対につくってほしくない」(青年)「吉村知事は『夢洲は嵩(かさ)上げしているから津波が来ても大丈夫』と。その隣の此花区の学校は、海抜より低いのに津波対策もできていない。府民・市民の生命を守ることこそ大事なのではないか」(大阪市此花区民)

府市の公聴会出席実現へ

 国土交通省と大阪府市に公聴会出席を求めた要請書に、国会議員や地方議員ら140人が賛同。府内43自治体中39、実に90%超の自治体から市町村議員が名を連ねた。衆参の大石あきこ(れいわ)、宮本たけし(共産)、つじもと清美(立憲)、大椿ゆうこ(社民)国会議員4人が揃ってエールを送った。こうした市民集会で立憲4野党国会議員が並ぶのはまれだ。

 今回の公聴会をステップに、1月に大阪北地域部、3月には南部で、再度公聴会を開き、国・府市の出席をめざす。カジノを阻む2つの訴訟支援、12月“万博もカジノもいらない”御堂筋パレードも呼びかけた。

 府民は、あらゆる取り組みで夢洲カジノを止める。



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