2023年10月27日 1794号

【沖縄を再び地獄の戦場(いくさば)≠ノさせないために/山城博治さん(「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」共同代表、「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」事務局長)の呼びかけ】

 10・22団結まつり(大阪)に参加する山城博治さんが「命(ぬち)どぅ宝の会」メールマガジンに投稿した呼びかけの要旨を紹介する。

反撃に転じる沖縄

 私たちは米軍辺野古新基地建設反対を訴えて活動してきた。しかしここ数年、米軍ではなく自衛隊が前面に出て、沖縄の軍事要塞化に着手してきた。そして「安保関連三文書」によって、一気呵成(かせい)に米軍は端役で自衛隊が前面に戦う体制が作られようとしている。地元自治体の態度に示されるように反対すべき側にも困難が付きまとっている。

 一方、自衛隊基地建設がはげしくなった2010年代以降、各島で多くの団体が立ち上げられ活動してきた。昨年1月には「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」が発足し、抗議・要請行動もおこなってきた。

 そして昨年末に「再びの沖縄戦に反対する全県組織立ち上げ準備委員会」を結成し、2・26緊急集会(1600人)、5・21平和集会(2100人)を成功させ、ついに7月25日正式に「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」を設立した。

 「県民の会」の共同代表に沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん、前南城市長の瑞慶覧(ずけらん)長敏さんが就任した。女性の共同代表の人選も進める。事務局長は山城博治が務める。具志堅さんは「沖縄を戦場にさせないという一点が目的の会だ」と訴えた。9月24日「県民の会」設立報告集会(800人)を開催し、引き続き11月23日に「沖縄を再び戦場にさせない県民大集会」の開催を決定した。

 こうした中で画期的なことは、若者とシニア世代に橋がかけられる動きである。辺野古新基地建設反対運動の現場に限らず、若者の姿が見えないことに、60年、70年の安保世代は焦燥を感じてきた。「県民の会」準備会の会議の中で、若者から「先輩たちの活動に尊敬と感謝はあるが、若者は憎しみや怒りのエネルギーが満ちている場所にはいかない」と衝撃的な問題提起を受けた。当初は反発も含め議論が続いた。2・26集会の名称をめぐる議論で、若い女性からスローガンに「争うよりも愛しなさい」を加えてほしいと提案され、シニア世代は驚愕したが受け入れを決断した。そして集会でも若者が前に出てくれるようになった。彼らは運動を拒んでいるのではない。そこに入る扉が見出せなかっただけだ。彼らは対話を求めている。積極的な意見交換・交流で大きな動きにつなげていきたい。

全国の皆さんの共闘を

 いよいよ沖縄の反撃が始まる。私たちは再びの沖縄戦を許さない。78年前の惨禍を繰り返させない、その決意で総決起し反撃する。

 最大の課題は、沖縄・南西諸島全域へのミサイル配備、とりわけ射程1千q以上の長距離ミサイルの配備を食い止めることである。

 沖縄・南西諸島だけの問題ではない。11・23県民大集会は日本を戦場にさせない運動の出発点として全国に呼応を訴えたい。私たちは力の限り闘う。全国の皆さんが我が事として共闘されることを期待します。

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