2023年12月01日 1799号

【1799号主張 直ちに停戦 どこも戦場にさせない/平和のためのスピーキングツアーへ】

病院攻撃は戦争犯罪だ

 イスラエル軍は、数百名もの患者のいるガザ地区最大のシファ病院を攻撃した。医療機能は完全に停止し、11月16日までの6日間だけで新生児を含む患者40人以上が死亡。18日に現地視察したWHO(世界保健機関)は「患者291人が残され、32人の新生児らを含め重体患者もいる絶望的な状況だ」と悲惨さを伝えた。

 イスラエルは、ハマスの軍事拠点だったと病院襲撃を正当化しているが、非戦闘員を巻き込む戦闘を禁じた国際法違反の戦争犯罪を世界中が目撃したのだ。

 病院が破壊され、1万2千人以上のガザ市民が虐殺されても、日本政府は国際法違反かどうかの「法的評価は控える」と言う。イスラエルの蛮行を「自国民を守る権利」として擁護している。岸田首相は訪米中の16日、イスラエル軍事援助を強めるバイデン大統領に「米国の外交努力を高く評価する」と伝え、日米一体を強調した。米国とともに戦争推進政策を進める岸田政権を許してはならない。

軍事化は戦争推進のため

 岸田政権が沖縄だけでなく全国の基地「強靭化」=軍事要塞化に突き進むのも、戦争推進路線のためだ。政府は「台湾有事」をあおり「国民を守る」と宣伝して軍拡を進めているが、「有事」の名目で「自衛権行使」を正当化する論理はイスラエルと同じだ。あらゆる戦争、侵略は、常にこの「自衛」の名で行われてきた。

 今急ピッチで軍事施設が作られ、中国を敵視した大規模な日米合同演習が行われ、戦闘機が常に上空を飛び交う。沖縄・琉球弧で暮らす人びとは「今日のガザは明日の沖縄」(ノーモア沖縄戦 命〈ぬち〉どぅ宝の会)と、ひとたび戦場となれば逃げ場がない危機を訴える。

 ガザ虐殺を容認するな、加担するな。住民を犠牲にする戦争、戦争準備をやめろ。市民の声を一つに政府に突きつける時だ。

国際連帯 沖縄連帯を

 全世界に「ガザ虐殺をやめろ」の声が広がっている。米英をはじめ数万、数十万人規模のデモやストライキが行われている。世界の抗議行動は各国政権に影響を与え11月15日、国連安保理でも「人道的休戦」を求める決議が米英ロの拒否権行使をさせず採択された。日本でも連日、全国各地で抗議行動が行われている。イスラエル擁護をやめよと政府に圧力をかけよう。

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は12月2〜10日、全国9会場で、岸田政権による軍事化と闘う沖縄・琉球弧の市民と連帯するスピーキングツアー集会を開催する。市民の運動の力で、「今日のガザ」の虐殺と占領を止め、「明日の沖縄」を再び戦場にさせてはならない。世界の平和を求める人びとと連帯し、戦争勢力を追いつめ、平和を実現していこう。

  (11月19日)
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