2023年12月01日 1799号

【議会を変える/大阪狭山市議小芝ひでとし/上下水道の福祉減免に代わる支援策を】

 大阪狭山市では、1981年度から42年間、経済的な配慮を要する世帯に上下水道の福祉減免制度を実施してきました。その制度を来年4月から廃止する通知が、この夏、市長名で対象世帯に送りつけられました。新たな負担は2か月につき上水道1720円、下水道1800円、計3520円。決して小さい額ではありません。通知を受けた方々からは困惑の声が上がりました。そして、9月議会には、福祉減免制度の継続を求める陳情と要望が出されました。

 市当局はそれに代わる「福祉施策の再構築」案を示していますが、経済的な支援策としては不十分です。福祉減免制度の継続を望む陳情や要望は至極当然な要求と言えます。

 しかし、大阪狭山市議会は、その陳情・要望を否決し、不採択としたのでした。大阪広域水道企業団に参加しており、その料金システムの変更により継続することができないというのが理由です。これまで当局は、統合にあたっては「現在とは何も変わらない。当面は水道料金も上がらない」と説明してきたのです。今回の廃止通知は全く説明不足と言わざるをえません。

 陳情は、項目の1として「水道料金の福祉減免制度を廃止しないでください」としていますが、2として「福祉減免制度を廃止するのであれば、経済的な配慮を必要とする世帯に、市独自の恒久的な施策を求めます」と丁寧に加えてあります。「福祉施策の再構築」を図るとしても、何らかの形で市として支援策を検討することが、市民に寄り添う政治ではないでしょうか。日本共産党議員団は、現実には福祉減免制度の継続は無理として、当初の賛成から本会議では不採択に立場を翻しました。私は、陳情者の思いと趣旨を受け止め、賛成の立場を貫きました。

 本会議の数日後、幹事長会議で「福祉減免制度に代わる何らかの経済支援策を議員団として取りまとめないか」と提案があり、「ええまち狭山」も含めた全会派の話し合いが持たれました。残念ながら、今回は案をまとめるまでには至りませんでしたが、市民に寄り添う政策の実現へ向け、粘り強く議員の結束を求めて議論を重ねていくことの大切さを感じることができました。

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