2023年12月01日 1799号

【職員を動員、でもタダ働き/優勝パレードにみる維新のヤバさ】

 阪神タイガースとオリックスバファローズの優勝記念パレードが11月23日、大阪市と神戸市で行われた。関西のプロ野球ファンは大いに盛り上がったが、大阪・関西万博のPRに利用しようとした維新府政・市政のせいでケチがついた。

 大阪府は府立学校の校長らに文書を出し、パレードの開催費用を賄うクラウドファンディングを教職員に周知徹底するよう依頼した。文書には「寄付額は3千円以上」といった文言があった。形式的には「周知」でも、「カネを出せ」との圧力であることは明らかだ。

 さらに府市は一般の職員を対象にパレード来場者の誘導案内などに携わるボランティアを募った。部局ごとに集める人数の目安も示した。なのに公務扱いとはならず、休日勤務の給与も交通費も支給されない。「勤労感謝の日にタダ働きしろ」とは、ブラックジョークにもほどがある。

 ちなみに兵庫県と神戸市の職員は休日出勤扱いで代休が取れる(当たり前だ)。維新の会が牛耳る大阪の異常性が際立っている。

 大阪の異常性と言えば、維新の暴挙をお笑い芸人がすかさずフォローするところもしかり。今回の一件でも、吉村洋文知事とのトークイベントに出演したハイヒール・モモコ(吉本興業所属)が「大阪はボランティアやって言うけど、当たり前やん。お金ないねんで」と茶化し、「笑い」にしようとしたのである。

 「これが維新を勝たせる大阪の現実か」と嘆きたくなるが、救いは今回の「タダ働き強要」がSNSで大炎上していることだ。「身を切る改革と維新は言うが、ただの公務員いじめを改革と言っているだけ」「ブラック企業のやることと何も変わりはない」等々。

 労働者の人権を無視する維新のヤバさに皆が気づいてもらいたい。  (O)
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